四日市市の桜の名所である海蔵川でこれまで行われてきた「海蔵川桜まつり」が、今年、中止となりました。
海蔵川の桜並木は地元の方々によって保全されており、「海蔵川桜まつり」は地元の有志の方々でつくられた「海蔵川桜まつり実行委員会」によって開催されています。
そういった中、市内の桜の名所において近年、桜並木の保全や桜まつりの開催に関する大きな課題が出てきています。
私が、市内の24の全地区をまわる「地域づくり懇談会」においても、今年度、海蔵地区、富田地区の2地区から、日々の桜の保全活動等が大きな負担や将来の懸念となっているという課題が挙げられました。
その背景には、進む桜の老木化と現在、堤防への桜の植樹が原則禁止されているということがあります。
ちなみに、海蔵川の桜の種類はソメイヨシノですが、ソメイヨシノの寿命は60~80年とされており、多くの桜がその寿命を迎えようとしています。
これは、富田地区の十四川の桜並木も同じです。
また、倒木により堤防本体を損傷する恐れがあることや根の腐食による空洞化などから堤防の機能が弱体化する可能性があることから、水害時の堤防の決壊を防ぐ為、現在、堤防への新たな植樹は原則禁止されています。
つまり、堤防にある現在の桜並木を残していくには、基本的に新たに桜を植えることは難しく、今ある桜を延命をしていくしかないということです。
そういった中、今回、海蔵川に危険な桜の木が複数あることが分かり、倒木の可能性があることから中止の決断に至ったということです。
「海蔵川桜まつり」は市内の桜まつりの中でも、特ににぎわいのある大規模なもの(昨シーズンは延べ10万人が来場)であり、中止は市としても残念であります。
ただし、来訪者の安全・安心を第一に考える中で、中止という判断はやむを得なかったと考えます。
こういった地域の状況や関係する方々の声を受けて、四日市市では庁内に、関係する複数の部署のメンバーで構成するプロジェクトチーム『桜並木の保全と地域の桜まつりに関する検討会』を立ち上げ、桜並木の保全や桜まつりの開催に関する課題の解決に向けた議論を始めています。
来年度には、海蔵川等における危険な桜の特定とその対応を行い、今後の「海蔵川桜まつり」の開催に向けて、市としても地域と一緒になって取り組んでいく予定です。
海蔵川は、県管理河川ですので三重県の協力も必要になってきます。
様々な関係者を協力し、四日市市の財産であります桜並木の保全に努めていきます。
〔海蔵地区HPより〕
