四日市市では、11月14日に四日市市総合体育館にて『災害時のし尿処理にかかる総合実地訓練』を実施しました。

 

 今年発生した令和6年能登半島地震をはじめ、これまでの様々な災害発生時、その後の避難生活において、し尿処理は大きな課題となってきました。

 

 しかし、防災減災対策において、し尿処理に関する対策等はあまり見えにくい部分であるので、取り上げられる機会が少ない状況があります。

 

 一方で、し尿処理施設の復旧の遅れや不衛生なトイレ環境の継続などの状況は、災害関連死の発生を招いてしまうという生命へのリスクがあります。

 

 四日市市としても、各部局(危機管理統括部・環境部・上下水道局)での備えを進めていますが、緊急分隊員・避難所担当職員を含めて「災害発生時のし尿処理」に対応する為、この度の『災害時のし尿処理にかかる総合実地訓練』実施となりました。

 

 災害用トイレの組み立てなどは防災訓練等で行われているケースはありますが、し尿処理に特化した総合的な実地訓練は、全国初の取り組みになります。

 

 今回の実地訓練には、四日市市職員に加え、三重県、他の自治体の職員、災害協定締結団体、四日市自治会連合会、四日市市地区防災組織連絡協議会の方々等、134名が参加しました。

 

 主な実施内容は以下の3点です。

 

①災害用トイレの組み立て

 避難所担当職員が、市及び三重県が備えている災害用トイレを組み立て・設置し、市民が円滑に使用できる状態にする。

 

②災害協定等に基づく受援トイレへの対応

 市と協定を締結している事業者や団体により提供される受援トイレを確認し、その使用方法等を理解する。

 

③災害用トイレの運営

 災害用トイレを設置するまでの手配及び設置してからの運営方法について訓練する。

 

 そして、今回の実地訓練の結果を踏まえ、し尿処理の課題の整理と解決に向けた手法を検討し、以下の具体的な取り組みを進めていきます。

 

・映像資料の作成

 本市に備蓄又は備えている全ての災害用トイレを未経験の職員が設置運営できるように映像資料を作成し、Youtubeや庁内サーバー等で公開していきます。

 

・客観的指標(KPI)の策定

 し尿処理に関する発災後の各段階における各充足率〔トイレ等充足率、ロジスティクス充足率、処理施設充足率等〕の点数化を行い、専門家の監修により指標を作成する。

 

 こういった『総合実地訓練』を毎年、継続的に実施していき、災害時のし尿処理にかかる本市の体制強化に繋げていきたいと思います。

 

 また、自助の観点から、簡易トイレの備蓄も重要な対策になりますので、各家庭での備えをお願いします。