四日市市が現在推し進めている『中心市街地再開発プロジェクト』におけるJR四日市駅前開発の核となる「大学設置」に向けて策定を進めていた『四日市市大学設置に係る基本構想』を3月に取り纏め、3月28日に公表しました。

 

 四日市市は、昨年度、有識者等で編成される「四日市市大学構想策定委員会」を発足させ、これまで1年を掛けて大学設置に向けた基本構想の取り纏めを進めてきました。

 

 企業や若手社員を対象とした人材需要等のアンケート、企業や大学生などへのヒアリングを行い地域社会のニーズを把握や他大学や高等教育の動向等についても調査を行い、これらを基に全5回の「四日市市大学構想策定委員会」にて専門的かつ客観的な見地からの議論を深めてきました。

 

 今回の『四日市市大学設置に係る基本構想』の策定を踏まえ、令和6年度は、四日市市役所に「大学構想推進室」を設置し体制を強化し、基本構想の具体化に向けて取り組みを進めていきます。

 

 三重大学の誘致をはじめ、公立大学の設置の検討等を進めながら、設置主体を明らかにするとともに、有識者会議を設置し、教育研究分野、学部・定員をはじめ、大学・学部の特色を踏まえた基本計画を策定していきます。

 

 併せて、一定の学生数の規模を確保できるよう、施設の規模・配置等、施設に関しても基本計画において検討し、JR四日市駅前への大学設置に向けた取り組みを進めていきます。

 

 

 今回取り纏めた『基本構想』の概要は以下の通りです。

 

 『設置する大学の目指す姿』として4点を挙げています。

 

①地域・大学等との連携

 地域企業と連携する共同プロジェクト型教育をはじめ、県内および東海地域の企業や自治体および大学等高等教育機関等と緊密に連携しつつ、地域を拠点に国際社会に開かれた教育研究を行う。

 

②人材養成

 国際的な視野のもと多様性を柔軟に受容し、課題の解決に向かう探求心と行動力を育むことにより、企業との共同研究や企業の実践に参画できる高度な能力を有し、イノベーションを創出できる人材を養成する。

 

③特色ある研究活動の推進

 企業や国内外の研究機関の共同研究を積極的に展開するとともに、大学の研究シーズを社会実装し、起業に結び付けるための研究体制・支援体制を整備し、地域産業をけん引する、四日市ならではの特色ある研究活動を推進する。

 

④駅前の立地を活かし、まちがキャンパスとなる大学

 中心市街地再開発プロジェクトにより今後整備される施設等を活用し、市民にひらかれ、四日市のまちがキャンパスとなる大学を実現するとともに、北勢地域における交通の利便性や産業集積といった立地の特徴を踏まえ、産業界と教育をつなぐ拠点として存在感を示す。

 

 そして、以下を『想定する教育研究分野』としています。

 

〇地域の産業構造を踏まえ、技術とモノづくりを核とした理工系分野

 

〇デジタル・グリーンなどの成長分野をけん引するために、総合知として人文社会科学の基礎知識とデザイン思考・ビジネス思考を併せ持つ高度専門人材の養成に向けた、理学、工学、情報学等の分野

 

 また、『想定される設置主体』としては、国立大学をはじめ、公立大学の設置や既存の私立大学の移転等の設置主体を想定するとともに、一つの大学の枠を超え、複数大学の設置・協力によるシナジー効果を得られるような大学間連携を念頭に置き、今後検討を継続していきます。

 

《四日市市大学設置に係る基本構想》

https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1711514662418/files/kihonkousou.pdf