現在、四日市港で進めている「霞ヶ浦地区国際物流ターミナル整備事業(北ふ頭81号耐震強化岸壁整備事業)」が近年の物価高騰のあおりを受け、国は事業費総額が当初の324億円⇒583億円と295億円の増額となる試算を行いました。

 

 「霞ヶ浦地区国際物流ターミナル整備事業」は、国直轄事業と四日市管理組合事業からなっており、国直轄分は189億円⇒370億円と181億円増、四日市管理組合分は137億円⇒213億円と78億円増となります。

 

 この増額には、様々な物価や人件費が高騰していることが背景にあるのですが、特に海上施工に用いる石材の価格が高騰しており、ここ3年程で3~5倍に上昇しているということがあります。

 

 当事業は、近年、東南アジア航路のコンテナ船の大型化に対応可能な水深14mを有する岸壁の必要性や完成自動車の取り扱い増加等に対応するもので、霞ヶ浦地区全体のターミナルの利用再編と合わせ、港湾機能の機能強化が図られます。

 

 また、四日市港は現在、耐震強化岸壁を有しておらず、地震等で四日市港が被災した際等に港利用が滞る可能性があることから、耐震強化岸壁の整備は四日市港にとって不可欠なものとなっています。

 

 こういった点からも、当事業は四日市市や三重県の産業の発展の基盤となり、市民の生活を支える大切な事業となります。

 

 この度、国の事業再評価が行われ、「霞ヶ浦地区国際物流ターミナル整備事業」の重要性を理解して頂き、事業費259億円の増額を認めて頂きました。

 

 しかし、増額分の予算確保には一定の期間が必要となる為、当初完成を令和10年度までとしていたものを令和12年度までと2年延長としました。

 

 なお、令和5年度補正予算では、「霞ヶ浦地区国際物流ターミナル整備事業」に88億円がつきました。

 

 令和4年度補正予算の金額が30億円であったことを考えると大変大きな補正予算を四日市港につけて頂けた、つまり国として力強く事業を推進していく方向性が示されたことになります。

 

 完成は2年は延びたものの、他の港では同規模の事業が軒並み4~5年延びていることを見ると、四日市港に対する期待が大きいことが分かります。

 

 令和8年度の暫定供用については、先行利用という形に変わり、岸壁の利用距離は330mから120mと短くなりますが、東海環状自動車道が全線開通する令和8年度に一部の利用を開始出来るスケジュールは堅持して頂きました。

 

 四日市港の整備は、四日市市、三重県の産業振興に大きく影響するだけに、物価高騰の影響を最小限にとどめるスケジュールとして頂いた関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。

 

 四日市港の大きな機能向上に繋がる「霞ヶ浦地区国際物流ターミナル整備事業」は物価高騰のあおりを受けながらも着実に進んでいきます。