大矢知興譲小学校の教育課題解消に向けた取り組みとして、昨年の2月定例月議会において、改築整備事業費予算が可決されたことから、今年度、現地での全面改築案による基本計画・基本設計の策定を進めて来ました。

 

 市としては、大矢知興譲小学校の抱える課題(「2022年度の普通教室不足」「増築を繰り返した校舎で非常に使い勝手が悪い」「プールと体育館が校地外にあり移動が不自由」)を一括で解決出来る改築案が最適な環境改善策であるという考えの下、改築案をを選択し、議会においても理解を得て推し進めてきました。

 

 一方で、大矢知地区からは「5階建て校舎が児童にとって望ましいとは考えられない」「2年4ヵ月にわたって運動場が使用できない状況は児童に負担である」などの理由から、昨年8月に改築に対する反対の意見表明があり、木造増築案の提案がなされました。

 

 更に、先の昨年の11月定例月議会において議会に「大矢知興譲小学校の将来予想される普通教室不足について、校舎の全面改築ではなく、教室の増築及び大規模改修で対応することを求める」という請願が提出され、議会はその請願を賛成多数で採択しました。

 

 市としては、昨年の2月定例月議会において議会が可決した改築整備事業費予算を執行していたところですが、その執行中に議会において対案である増築及び大規模改修が教育課題解決手法として望ましいという判断が下されました。

 

 この議会の意思を重く受け止め、上記の請願採択後、現在の改築案に地域の意向を取り入れた改善案と、市として受け入れることが可能なRC造による増築及び大規模改修案を新たに作成し、本年1月に議会、保護者・地域に対して両案の説明を行いました。

 

 その結果、保護者や地域からは、増築案を選択するとプールや体育館の配置の課題は解決しないものの、子どもに負担が少ない増築案が望ましいという意思が示されました。

 

 2022年度の大矢知興譲小学校における普通教室不足を回避するには今年度中の意思決定(予算方針の決定)が最後のタイミングであったことから、保護者・住民の想いや議会の意思等を総合的に勘案し、市としてこれまで推し進めてきた改築案から増築及び大規模改修案への方針転換を決めました。

 

 現在、開催中の平成31年2月定例月議会において、改築整備事業の基本設計に関する債務負担行為を廃止する補正予算を議会に上程しています。