2月26日、2月定例月議会に今年度の補正予算となる『アセットマネジメント基金』への繰り入れ予算72.8億円を上程しました。
「アセットマネジメント基金」は、17年後からピークを迎える小中学校の更新の際に、通常の支出に加え、追加で必要となる200億円の財源を現在の税収が好調な時に蓄えておくという目的があります。
つまり、「アセットマネジメント基金」は将来に過度な負担を課さずに費用を平準化し、未来の子ども達の健全な教育環境を担保していく為に必要な基金なのです。
当予算は、昨年の11月定例月議会にておいて減額修正されていますが、持続可能な自治体運営を行うという観点、将来の市民サービスの低下を回避するという観点から、当初の方針を変えることなく前回の予算案と同程度の72.8億円の基金繰り入れとしています。
昨年11月定例月議会の予算審議の際には、70億円を超える金額を将来の子ども達の為ではなく現在世代に使うべきだという意見が多くあり、減額修正という結果となりました。
しかし、四日市市の中長期の財政見通しによると、今年度本市は過去最高税収を記録しましたが、税制改正や企業活動の状況等から今年度の税収をピークに税収は減少傾向となります。
ちなみに、3年後の2021年度には今年度比で約100億円の税収減となり、大変厳しい局面を迎えます。
税収が将来的に減少傾向に向かう中、小中学校の更新ピークを迎える期間までに200億円を積み立てることが出来なければ、将来、財政上の問題が顕在化することになります。
つまり、必ず要る200億円をいつ積み立てるかの議論であり、例え今積み立てなくても将来どこかのタイミングで捻出しなければなりません。
そうであれば、特殊要因があり法人市民税の大幅な増収があった今年度に70億円程の金額を積み立てるのが中長期の財政運営を考えても最も適切な選択であるといえます。
税収が減少していく将来に積み立てを先送りする事は、将来にツケを回すことになります。
しかも、今年度は特殊要因の法人市民税の大幅な増収(アセットマネジメント基金繰り入れ)分を除いても過去最高税収であり、その部分は現在世代の市民サービスに既に還元されています。
従って、72.8億円をアセットマネジメント基金の積み立ては、住民サービスの低下に繋がるものではありません。
更に、来年度の平成31年度当初予算は一般会計で過去最大の規模となります。
平成31年度当初予算においても、現在世代への行政サービスの還元という視点から、道路事業をはじめとするインフラ整備や、子育て・教育支援などに対し事業費を拡充して積極的な予算措置を行っています。
平成30年度当初予算比で、例えば土木費では、道路・橋梁に4.6億円の増、交通安全施設に1億円の増、河川に1.3億円の増と大幅な増額を行っており、過去10年だけを見ても最高の水準となっています。
この様な時期だからこそ、先を見据え、将来の子ども達の為に確実に積み立てを行う必要があると考えます。
現在世代と将来世代のバランスに配慮しながら、補正予算案として『アセットマネジメント基金』予算72.8億円を上程しています。
四日市市は、持続可能で健全財政の自治体運営を行っていきます。