『知事と市長の1対1対談』にて取り上げた「子ども医療費制度の拡大について」では、大きく以下の3点の要望を行いました。

 

Ⅰ.県の子ども医療費助成の対象年齢の引き上げについて

Ⅱ.子ども医療費窓口負担無料化に伴う医療費増加分について県は補助金減額の方針転換を

Ⅲ.窓口負担無料化についての県主導による「レセプト方式」の導入

 

 今回のブログでは、「Ⅲ.窓口負担無料化についての県主導による『レセプト方式』の導入」を取り上げます。

 

 今回のブログは、子ども医療費窓口負担無料化に関する現場の仕組み(手続き)に関することであり、非常に細かな部分の話になりますが、今後の三重県の子ども医療費助成制度を考える上で非常に大切な論点になります。

 

 三重県での子ども医療費助成制度は、現在『領収証明書方式』による処理が行われていますが、子ども医療費窓口負担無料化の実施のタイミングに合わせて県主導により『レセプト方式』による処理への変更を行っていくべきだと考えています。

 

 ここで、『領収証明書方式』と『レセプト方式』の説明をさせて頂きます。

 

 まず現在、三重県全域で採用されている『領収証明書方式』によって、子ども医療費窓口負担無料化を実施する場合の説明です。

 

【領収証明書方式】

 医療費助成の対象となっている子どもが医療機関に掛かった場合、医療費の窓口負担はありません。

 

 そして、①医療機関は医療費助成の対象者の診察をしたという領収証明書を作成し国保連合会に送ります。

 

 ②国保連合会は医療機関から送られてくる領収証明書を取り纏め各自治体に助成データを送り、自治体はその助成データを基に医療機関に医療費と領収証明書発行料、国保連合会に手数料を支払うのです。

 

 次に、子ども医療費窓口負担無料化と共に四日市市が採用する『レセプト方式』の場合の説明です。

 

【レセプト方式】

 医療費助成の対象となっている子どもが医療機関に掛かった場合、医療費の窓口負担はありません。

 

 そして、①医療機関は医療費助成の対象者の診察をしたというレセプト(医療報酬明細)を国保連合会に送ります。

 

 *レセプト(医療報酬明細)は診察の際に必ず作成されるものです。

 

 ②国保連合会は医療機関から送られてくるレセプトを取り纏め各自治体に助成データを送り、自治体はその助成データを基に、国保連合会等に医療費と手数料を支払います。

 

 ③医療費を受け取った国保連合会等は、その医療費を医療機関に払います。

 

 つまり、自治体は『領収証明書方式』から『レセプト方式』に代わることにより、医療機関とのやり取りがなくなり国保連合会等とのやり取りだけになるので事務手続きが圧倒的に簡素化されます。

 

 また、医療費助成データに通常発行されるレセプトを使用する為、わざわざ領収証明書の発行が必要ありません。

 

 このことにより、医療機関は領収証明書の発行の事務手続きが無くなりますし、行政も領収証明書の発行手数料を医療機関に支払わなくても良いことになります。

 

 四日市市は医師会との協議を重ね、『領収証明書方式』から『レセプト方式』への転換を決めることが出来ました。

 

 『領収証明書方式』から『レセプト方式』への転換が四日市市にて実現することにより市は900万円程度の経費削減に繋がりますし、県においても2,300万円の経費削減に繋がるのです。

 

 これが、仮に県全域に広がれば県として数億円の経費削減に繋げることが出来ます。

 

 こういった点から、県は主体的に県医師会との協議を行い医療費助成のシステムを『領収証明書方式』から『レセプト方式』に転換すべきであると提案するのです。

 

 そして、上記の通り、四日市市は平成30年4月から始まる子ども医療費窓口負担無料化に伴い対象の未就学児までの医療費助成については『領収証明書方式』から『レセプト方式』に変更するので、県は自動的に2,300万円の経費削減に繋がります。

 

 この削減分を市へのサポートに回して更なる子育て・教育サービスの充実に繋げたいというのが四日市市の想いであります。