3月24日に、『四日市市中学校給食検討会』が「四日市市中学校給食検討会報告書」を取り纏めました。


 四日市市の公立中学校は、楠町との合併に伴う教育制度検討会議の答申を受けて、平成20年度から「家庭弁当を基本としたデリバリー方式の給食」が開始され、平成24年度に楠中学校を含めた市内全中学校において完全実施となりました。


 デリバリー給食が市内全中学校にて実施され4年が経過した今、現行の中学校給食制度が様々な課題を抱えている事から、将来に向けた本市の中学校給食の在り方について検討する必要があるとして、昨年の5月に『四日市市中学校給食検討会』が発足しました。


 『四日市市中学校給食検討会』は合計7回の会議を開催し、「中学生にふさわしい昼食の在り方」や「現行の中学校給食の改善点」について議論を進めて来ました。


 その議論を取りまとめが、「四日市市中学校給食検討会報告書」になります。


 当報告書では、食育推進の観点から四日市市においても将来的に、「食缶方式」の導入を目指して、検討を始めることが望ましい。との提言がなされました。


 「食缶方式」とは、食缶でクラス分をまとめて教室に運び、配膳する方式で、自校調理方式、親子調理方式、共同調理場方式があります。


 つまり、四日市市の公立小学校で行われている様な給食のスタイルを公立中学校でも取り入れるべきだという提言です。


 食缶方式による中学校給食の導入は、県内でも進んでおり伊勢市、松阪市、津市が先行して導入し、平成27年度からは鈴鹿市も共同調理方式という形で食缶方式を導入しています。


 国は、来年度示される「第3次食育推進基本計画」にて、効果的な食育を推進することを目指して、公立中学校における完全給食の実施率を平成32年度までに90%以上とすることを目標値として定めようとしています。


 ここで大切なのが、完全給食とは「50%以上の喫食率の給食」を指し、必ずしも「食缶方式」という訳では無く例えば四日市市の様な「デリバリー給食」でも喫食率が50%以上であればそれは完全給食にカウントされます。


 しかし、四日市市のデリバリー給食の喫食率は、約22%程度で完全給食には程遠い現状です。


 こういった点を鑑みても、四日市市において「完全給食」を実現してこうとするのであれば、中学校給食の在り方を抜本的に変えていく『食缶方式』の導入が現実的と考えられます。


 社会環境が大きく変化する中、食に関する価値観やライフスタイルの多様化などに伴い、子ども達の食生活は偏った栄養摂取や不規則な食事等、多くの課題を抱えています。


 年間190回程度実施される学校給食にて、子ども達の健康な食生活を実践していくことは食育の観点から重要です。


 『四日市市中学校給食検討会』のこの度の提言を、重く受け止めて早急に「食缶方式」による公立中学校の完全給食の実現を図っていく必要があります。



《関連ブログ》

・【今、教育現場に何が必要か?②】どうなる中学校デリバリー給食~検討会が発足~

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