今回のブログは前回に引き続き、四日市市議会 平成28年2月定例月議会において可決された『精神障害者2級通院医療費助成予算2,800万円の増額修正』に関する修正動議について書いていきます。


 当修正動議は、平成29年9月から精神障害者2級の医療費助成を開始するとしていた市の方針に異を唱える議員から提出され、精神障害者2級の通院医療費助成を当初計画よりも1年前倒しした平成28年9月から開始するべきとするものでした。


《参考ブログ》

【障害者医療費助成の現状】2月月議会において精神障害者2級の通院医療費助成の増額修正案が可決!

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12143740927.html


 この増額修正案提出の背景には、1年前の平成27年2月定例月議会における「身体障害者4級に対する医療費助成拡大」の請願の採択がありました。


  四日市市における障害者医療費助成の方向性は、障害者団体との合意の下、『四日市市第3次障害者計画』により平成30年度末までに精神障害者2級への医療費助成拡大の検討を行うとしていました。


 しかし、1年前の平成27年2月定例月議会にて「身体障害者4級に対する医療費助成拡大」の請願が身体障害者団体から提出され、議会はそれを賛成多数で採択したのです。


 ちなみに、私は市が障害者団体との合意の上で、精神障害者2級の医療費補助を計画しているのに身体障害者4級の方への医療費助成の議論をこのタイミングで行う事は順番が間違っていると考え当請願には反対しました。


 ただ、請願は採択されたものの、四日市市は既に精神障害者2級への医療費助成の方針を明らかにしていたことから、仮に身体障害者4級の医療費助成を実施するとしてもまずは精神障害者2級の医療費助成を実施してからという方針を明確にしました。


 この請願採択を受けて、市側も早急に精神障害者2級の医療費助成を行わなければならないと考え、上述した様に当初は『「四日市市第3次障害者計画」により平成30年度末までに精神障害者2級への医療費助成拡大の検討を行う』としていたものを、今年2月の代表質問の際に『平成29年9月に精神障害者2級への医療費助成の拡大を行う』と大幅な前倒しを表明したのです。


 平成30年度末までに検討だったものが、平成29年9月に実施と1年半以上も、精神障害者2級への医療費助成拡大を前倒ししたのです。


 ここまでなら、ある程度理解の出来る話なのですが、ここから議会は誤った方向に舵を切ってしまうのです。


 しかし、身体障害者4級への医療費助成拡大を求める議員は、1年前に請願が採択されたにも関わらず平成28年度に精神障害者2級への医療費助成をも実現出来ない行政に対して大きな不満を持ち、行政が前倒しした平成29年9月からの精神障害者2級への医療費助成拡大を更にもう1年前倒しすべきだという考えで、今回の予算増額の修正案を提出されたのです。


 一般的に考えて、「精神障害者2級への医療費助成」が1年前倒しになる事は喜ばしい事です。


ただ、この前倒しが本当に障害者福祉にとって本当に良いことなのかをしっかりを見極めていかなければいけません。


 議会審議において、「なぜ平成28年度から精神障害者2級への医療費助成が実施出来ないのか」との議員からの質疑に対して、健康福祉部は「様々な障害者団体との話し合いの場を持った上で医療費助成制度を構築していきたい。また、財源の問題も含めて持続可能な制度となる様にあらゆるケースを想定しながら慎重に進めていきたい。それにはある程度の時間が必要であり、実施は平成29年9月からとしたい。」との答弁がありました。 


 私は、健康福祉部の答弁について障害者福祉を今後推し進めていく上で、合理的且つ不可欠な考え方であると捉えました。

 

 次回のブログでは、当増額修正案可決までの流れを書いていきます。


【関連ブログ】

【障害者医療費助成の現状】2月月議会において精神障害者2級の通院医療費助成の増額修正案が可決!

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12143740927.html