3月17日、6日間に渡り行われた2月定例月議会 予算常任委員会全体会が終了し、委員会の場における来年度の平成28年度当初予算についての審議は全て終えることとなりました。
予算常任委員会全体会は議長を除く34名の議員が所属し、予算議案について全体で議論する必要がある項目を「全体会審査事項」として特出しし、集中的な議論が行われる予算審議の中でも最も重要な場となります。
今議会の予算常任委員会全体会では、非常に多くの以下の7つの「全体会審査事項」が提案されました。
1.消防団に係る経費について
2.私立学校等教育補助金
3.医療費助成経費、障害者医療費
4.生活に身近な道路整備事業費
5.営業事務委託料(四日市市上下水道局お客様センター業務)
6.中核市移行推進事業費
7.教育環境課題解決方策策定事業費
今回のブログでは、予算常任委員会全体会「全体会審査事項」の中から『消防団に係る経費』について取り上げます。
平成27年4月に、旧四日市市と旧楠町との合併がありました。
その際、旧四日市市は24の消防団を旧楠町は5分団の消防団を持っていました。
四日市市・楠町合併協定書において、旧四日市市消防団と旧楠町の消防団の統合、そして旧楠町にある5分団の5年を目途の再編が謳われました。
そして、平成22年4月に、旧四日市市、旧楠町の消防団は1団化され、旧楠町の消防団は北楠、南楠の2分団に再編されました。
ただ、平成21年4月に出された「四日市市消防団組織推進委員会の検討結果」において、楠地区の2分団は、治水対策が完了するまでの間の暫定措置とされました。
治水対策とは、現在楠地区において建設されている「新南五味塚ポンプ場」「吉崎ポンプ場」の供用開始を意味します。
合併前は楠地区に5分団あった消防団が将来的には1分団となる事から、楠地区の方にとっては被災時における不安を抱える事になります。
この不安を解消する為に、「新南五味塚ポンプ場」「吉崎ポンプ場」の供用開始を条件としたのです。
しかし、当初平成28年度末までに両ポンプ場が完成する予定であったものが、地下水の吹き出し等で工事が大幅に遅れ、現時点では工事の完了は平成31年度末頃となっており、当初の予定から3年程供用開始時期がずれ込んできています。
そこで、議会から治水対策の完了前の平成30年度末までに楠地区の消防団の1分団化を推し進めるべきだという意見が出されました。
この背景には、基本的に四日市市における消防団は1地区1分団であるにも関わらず楠地区には2分団存在することに対して、全市的に同一制度で消防分団を運営すべきだという意見や地域間における税金投入の不公平感が存在するという意見がありました。
ただ、一方で楠地区の1分団化は平成21年4月に出された「四日市市消防団組織推進委員会の検討結果」において、治水対策が完了するまでの暫定措置と合意されているので、スケジュールが遅れていても治水対策の完了までは楠地区の住民感情や当初の約束の重みを考慮し、拙速な1分団化は行うべきでないという意見もありました。
私自身は、楠地区の方が不安を抱えたままでの1分団化は行うべきで無いし、消防団や地元の方との合意を行政側から一方的に反故にすべきでないという点から、後者の立場で議論に参加しました。
また、「新南五味塚ポンプ場」「吉崎ポンプ場」の供用開始の遅れは、消防本部とは関係無い上下水道局の管轄での出来事ですので、消防本部が意図的に1分団化を遅らせている訳ではありません。
当予算については、2つの「附帯決議」が出され、一方は1分団化を平成30年度末までに、もう一方は1分団化を治水対策完了時までに推し進めるというものでした。
議論は紛糾し、最終的には各会派間の意見調整によって、現時点における「新南五味塚ポンプ場」「吉崎ポンプ場」2か所の供用開始時期である平成31年度末までという事に落ち着きました。
そして、会派間の合意を得た新たな「附帯決議」が可決され、楠地区の消防団は平成31年度末までに推し進める事という意見が、当予算に付されました。
今後、4年で楠地区の消防団の1分団化が推し進められることとなります。
楠地区の方に不安を抱かせないタイミングである治水対策の完了までを1分団化への条件と出来たのは大きな意味があったと考えます。