先日の一般質問『㈱四日市市生活環境公社の財務状況から見えてくるもの』を終えて、四日市市の第三セクターで、今何が課題で、今後どの様な対応が必要なのかを当ブログでまとめていきたいと思います。


 過去2回にわたって『㈱四日市市生活環境公社』の現状についてブログで取り上げてきました。


《関連ブログ》

・【㈱四日市市生活環境公社 資産運用損2億円の行方】~アベノミクスによって損失縮小~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12130594394.html


・【㈱四日市市生活環境公社 多額の資金保有】~最大株主、最大取引先である四日市市の今後の方針は~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12132021578.html


 四日市市が40%の株式を保有する第三セクターである㈱四日市市生活環境公社は、平成26年度末時点において「現金及び預金」を6億4,000万円保有しています。


 更に㈱四日市市生活環境公社は、毎年数千万円の当期純利益を上げており、同程度の「現金及び預金」が増えている状況です。


 「現金及び預金」6億4,000万円に対して、将来の資産購入の為の蓄えである減価償却累計額が3億2,000万円、退職給付引当金が1億8,000万円で賞与引当金が3,000万円で、仮にこの部分の資金を確保したとしても1億円以上が余裕資金となります。


 そして、このままいくと余裕資金が1億円を超えている状況で毎年数千万円程度資金が更に積み上がっていくことになります。


 ㈱四日市市生活環境公社の年間売上高が7億7,000万円、総資産は10億5,000万円ですから、年間売上高の9割以上、総資産の6割以上が現金預金なのです。


 新たな事業の展開や投資を予定していない㈱四日市市生活環境公社にとってこれ以上の資金は必要ありません。


 今後、四日市市はどの様な対応が必要なのか。


 四日市市は㈱四日市市生活環境公社に対して、主に「資源物収集業務」「し尿汲み取り業務」「ポンプ場管理業務」を委託しています。


 ㈱四日市市生活環境公社の売上の95%以上が四日市市からの契約なのです。


しかも、その契約は全て随意契約になります。


 随意契約ですから、値段決定の段階で競争が無く、両者の合意で契約金額が決まっているのです。


 つまり、四日市市は㈱四日市市生活環境公社に対して価格交渉の余地があるのです。


 ちなみに、平成26年度における各事業の営業損益は「し尿汲み取り業務:▲2,574万円(損失)」の一方で、「資源物収集業務:4,051万円(利益)」「ポンプ場管理業務:2,119万円(利益)」となっており、合計で3,595万円の利益となっています。


 ㈱四日市市生活環境公社は、本市の「し尿汲み取り」という重要な業務を担っています。


 それであるならば、「し尿汲み取り業務」が適正に行える発注を行い、十分な余裕資金を持つ㈱四日市市生活環境公社に対して多くの利益が出ない水準に価格を設定していく必要があります。


 四日市市は㈱四日市市生活環境公社の最大株主であり、最大取引先であるのでそれが出来るのです。


 ㈱四日市市生活環境公社に資金が蓄えられても四日市市の持ち分はその40%に留まり、自由に使途も決められません。


 市は、資金の流れをしっかりを把握し、第三セクターの経営についてもしっかりマネジメントしていかなければいけないのです。


第三セクターも含めて、四日市市の全体利益を考えていくのが自治体を経営していくという事だと思います。


 四日市市の利益の最大化とは何かを考え、経営という概念を持ち市政を運営していかなければいけません。