2015年12月、2027年開業を目指すリニア中央新幹線は最難関とされる「南アルプストンネル」の工事に着工しました。


 現在の整備計画では、2027年開通は東京-名古屋間、そしてその18年後の2045年に名古屋-大阪間が開通することになっています。


 東京-名古屋間においては、『1県1駅』の方針が取られており、リニア中央新幹線が通過する都県に必ず一つ駅が設置されました。


 「東京都・品川駅」と「愛知県・名古屋駅」を結ぶ中間駅として、「神奈川県・相模原市」「山梨県・甲府市」「長野県・飯田市」「岐阜県・中津川市」の4駅が設置されます。


 しかし、2045年開通予定の名古屋-大阪間においては、未だルート及び中間駅が決まっていません。


 ただし、リニア中央新幹線の整備計画には、「奈良市付近」を通過すると明記してありルートは三重・奈良ルートを通過することになります。


 名古屋-大阪間においても『1県1駅』が踏襲される可能性が高い為、今後三重県、奈良県にもリニア中央新幹線の中間駅が設置されることになります。


 両県においては、中間駅の設置場所が非常に大きな関心事となってきます。

 現在、奈良県では『奈良市』『大和郡山市』『生駒市』が熾烈な中間駅誘致競争が行われています。


 奈良県議会、奈良市議会では、平成元年に「奈良市に停車駅を設置する」旨の決議がなされましたが、2011年11月にJR東海が中間駅建設費を自費で負担することを発表した後、「大和郡山市議会(2011年12月)」「生駒市議会(2012年3月)」は相次いで中間駅誘致に関する議決を行い、中間駅誘致に名乗りを挙げました。


 特に、「大和郡山市」と「奈良市」の誘致活動は熱を帯びています。


 1月26日に議員有志で、両市へ視察を行いその活動の実態を調査してきました。 


 「大和郡山市」は、隣接する橿原市の市長が世話人代表となり県内33市町村が参加した『「奈良県にリニアを!」の会』を結成し、「大和郡山市に中間駅の候補地を一本化すべき」とする提言書を取り纏め、奈良県知事に提出しています。


  一方で、「奈良市」は2012年にリニア中央新幹線の中間駅誘致を取り扱う、リニア推進室(職員3名)を立ち上げ、2014年にはリニア推進課に昇格させ、現在では4名体制で誘致活動に取り組んでいます。


 市独自の取り組みとしては、自治体規模の差もありますが、奈良市は専門部署を設け年間1,500万円~1,800万円の予算を掛けていますが、大和郡山市では兼任の担当者で年間の予算は100万円程度となっています。


 奈良市では、三戸なつめさんを部長とする奈良市リニアファンクラブを設立したり、県内全域にPRチラシの新聞折込、郵便局の集配車のラッピング等積極的な取り組みを行っています。


 しかし、JR東海が名古屋-大阪間の中間駅を決定するタイミングは未だ見えず、熾烈な中間駅誘致競争は今後も更に熱を帯びてくると予想されます。



◆これまでの関連ブログ

・【リニア中央新幹線】『四日市駅』誘致に向けて① ~現状把握:東京-名古屋間ルート・中間駅決定~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11710208418.html


・【リニア中央新幹線】『四日市駅』誘致に向けて② ~なぜ中間駅が必要か。熾烈な自治体間競争の到来!~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/theme-10076663793.html


・【リニア中央新幹線】『四日市駅』誘致に向けて③ ~勝ち残れるか!本当に必要な産業振興策とは!?~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11862051287.html


・【リニア中央新幹線】『四日市駅』誘致に向けて④ ~議員発議!「四日市駅」誘致を求める意見書提出~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11882058248.html


・【6月議会最終日 本会議】大きな一歩!リニア中央新幹線中間駅「四日市駅」誘致を求める意見書可決!

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11887254418.html


・【リニア中央新幹線中間駅誘致に向けて⑤】諦めたら終わり!四日市市の利益の最大化を求めていく!

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11916104268.html


・【リニア中央新幹線中間駅誘致に向けて⑥】中間駅誘致を進める議員連盟が発足!!

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11934396976.html