今回は、継続的に取り上げている『四日市市役所の人件費管理問題』の第3弾ブログとなります。


 前回のブログで、平成23年度から平成26年度までの3年間に市役所正職員の総勤務時間が29万時間増加している事実を指摘しました。


 この3年間に正職員の数が112名増加した一方で、時間外勤務が78,336時間増加しているのです。


*ちなみに、非正規職員数(嘱託職員、臨時職員等)も増加しています。


【四日市市の人件費管理に切り込む!②】~職員数が増えているのに、なぜ時間外勤務が増えるのか~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12073092823.html

 

 この事実から、以下の問題点を指摘しました。


①業務効率の悪化


②職員全般に広がる時間外勤務の慢性化


③職員一人当たりの時間外勤務時間増加による労働環境の悪化


④業務の取捨選択が出来ておらず、不要な業務の継続 


 一人当たりの年間時間外勤務も3年間で平均25時間程度増加しており、職員の方の労働環境も悪化しているのです。


 職員数が増えているにも関わらず、時間外勤務時間が増え、職員の方々の労働環境が悪化しているこの現状を重く受け止めねばなりません。


 また、市役所全体の時間外勤務手当は18億8,000万円を超え、3年間で2億3,000万円も増加しています。


 職員の労働環境の悪化の問題、時間外勤務手当増加による財政圧迫の問題等、これまで行政は時間外勤務の抑制に無策だったのでしょうか。


 そうではありません。


 四日市市は『行財政改革プラン』を策定しており、38の改革項目を設けて日々行財政改革に取り組んでいます。


 その中の項目に「時間外勤務の適正化」、「適正な定員管理の推進」を設けており、職員一人当たりの時間外勤務の削減、人的資源の効率的な配置による人材の有効活用を掲げて、取り組みを行っているのです。


 しかし、現実は上記の通り、時間外勤務は増加し、必ずしも効率的な人員配置が出来ているとは言い難い状況です。


 行政は各年度毎に『行財政改革プラン』で設けている38の改革項目について自ら目標達成状況を評価しています。


 ここで驚くのは、平成26年度の『行財政改革プラン』の取り組みの中で、先ほど挙げた「時間外勤務の適正化」、「適正な定員管理の推進」の項目が共に『A評価』になっており、目標通り達成出来たと評価されているのです。


 なぜ、行政は正職員の時間外勤務手当金額が全国トップクラス、3年間で29万時間の労働時間の増加という現状で、「時間外勤務の適正化」、「適正な定員管理の推進」が『目標通り達成』のA評価となっているのか。




 完全に問題意識の欠落と言えます。


 『行財政改革プラン』と聞くと、耳触りは良く如何にも改革を断行しているというイメージがあります。


 しかし、『行財政改革プラン』とは名ばかりで、現実に生じている問題を直視せず、お茶を濁すという形骸化されたプランなっているのです。


 『行財政改革プラン』は、市の将来を左右する非常に大切なプランです。


四日市市の消極的なスタンスを看過出来る訳がありません。


 しかも、残念なのは今回の項目含めて、『行財政改革プラン』38項目の内、35項目をA評価、1項目をS評価としている点です。


 これでは『行財政改革プラン』全体の信頼性が損なわれます。

 話を戻し、では行政はこれまで「時間外勤務の適正化」、「適正な定員管理の推進」について何をして来たのか。


次回のブログでは、正に「木を見て森を見ず」の行政の取り組みについて掘り下げていきます。



【関連ブログ】

・【四日市市の人件費管理に切り込む!】~一般行政職員一人当たり時間外勤務手当 全国1位の現実~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12071634541.html


・【四日市市の人件費管理に切り込む!②】~職員数が増えているのに、なぜ時間外勤務が増えるのか~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12073092823.html