四日市市議会の各常任委員会は、定例月議会における予算、決算、各議案の審議に加え、「所管事務調査」という委員会が所管する部局の調査を定期的に実施しております。


 常任委員会に所属する委員がテーマを出し合い、項目を決定し、調査を実施していきます。


 私が委員長を務める産業生活常任委員会では、7月に所管事務調査として『有害鳥獣対策』について取り上げ、四日市市における有害鳥獣対策の最新の状況を確認しました。


 今回のブログでは、四日市市の『有害鳥獣対策』の最新動向について書いていきます。


 私は過去に2度(平成25年8月定例月議会、平成26年11月定例月議会)、市議会の一般質問で『有害鳥獣対策』について取り上げました。


 その際にブログにて、四日市市の有害鳥獣被害が年を追うごとに右肩上がりで増加しているという現状に触れました。


 具体的な数値で説明すると、以下の表にある様に、平成22年度に700万円程度であった有害鳥獣被害額が、年々増加し平成25年には1,000万円を超えました。



 しかしその後の平成26年度に、行政が新たな施策の導入や、猟友会の全面的なバックアップを受け、有害鳥獣対策に大き進展が見えたのです。


 その結果、平成26年度の有害鳥獣被害額は前年比で減少し、再び1,000万円を割り込む状況となりました。


 
 議会からの粘り強い訴えや行政の本気の取り組みから、目に見える効果が生まれているのです。


 その具体的な取り組みについて、紹介していきます。


≪1.サルの大量捕獲囲いワナの設置≫


 平成26年度、350万円を掛けて、『サルの大量捕獲囲いワナ』を桜地区、川島地区に2台設置しました。


それまでサルの年間捕獲頭数は10~30頭程度でしたが、平成26年度は『サルの大量捕獲囲いワナ』による141頭を含む、171頭が捕獲されました。


 1年間で141頭と『サルの大量捕獲囲いワナ』は驚くべき結果を出しました。


 これまで手をこまねいていたサルの捕獲について一定の成果が出た為、行政は平成27年度予算にて更に2台の『サルの大量捕獲囲いワナ』を設置する事としています。



≪2.猟友会との連携強化≫


 平成26年度より、行政は猟友会との連携を強化し、猟友会が全面的に有害鳥獣駆除に協力する体制を取って頂ける様になりました。


 年間通じて、数十人規模で有害鳥獣駆除に従事して頂ける様になりました。


 過去に一般質問で提案した「サルどこネット」の受信機の支給も行われ、行政と猟友会が良好な関係で有害鳥獣駆除にあたれています。


≪3.電気柵補助金ニーズへの対応≫

 市は、2つ以上が連なる農地に電気柵を設置する場合にその資材購入費の1/2の補助を行って

います。 


 この電気柵は、シカやイノシシに対して有効な事から、年々その需要が増えており、昨年11月定例月議会の一般質問で取り上げた時点で、15件(金額にすると400~500万円程度)の電気柵補助金待ちがありました。


 平成26年度当初予算の150万円は既に使われており、補助金交付が滞っていました。 


 これらの補助金待ちについて、平成27年度にて全額予算措置され現在順次補助金支給が行われています。


 電気柵の高まる需要についても行政は適宜対応しております。

 

 こういった様々な取り組みによって、四日市市の有害鳥獣対策は着実に進められています。


多くの課題はまだあるものの、市民の声や議会の声が反映され、政策として実現しているのです。


≪過去の関連ブログ≫


■【平成25年度8月定例月議会 一般質問】

拡大する有害鳥獣被害にどう立ち向かうかⅠ〔ブログ:3回シリーズ〕


《「追い払い」から「駆除」へ》

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11601681036.html


《市への3つの提案》

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11602357333.html


《その後:四日市市の有害鳥獣対策、大きな前進!積極的な施策展開の効果に期待!》

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11759037948.html


■【平成26年度11月定例月議会 一般質問】

拡大する有害鳥獣被害にどう立ち向かうかⅡ


《増加する「電気柵需要」に行政は応えられるか!》

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11960161406.html


《「サルの駆除」を進める3つの提言!今後の展開は?》

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11963746512.html