先日、障害者雇用そして、就労困難者雇用に対する私の考え方を大きく変えた、「ISFnetグループ」の視察についてブログで触れました。


【前回ブログ】

就労困難者に対する就労支援にどう向き合っていくか ~ISFnetグループ視察報告~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12056233061.html


 就労困難者を積極的に雇用している「ISFnetグループ」は、全国の複数の自治体と協定を締結しています。


 例えば、川崎市と2013年4月に「就労困難者の雇用に関する包括連携協定」、呉市と2014年5月に「障がい者および就労困難者の支援に関する協定」を締結しています。



 就労困難者雇用に積極的で且つ、そのノウハウを持った民間企業とこの様な協定の締結は、障害者含む就労困難者の雇用の促進に大きな効果があると言えます。


 ただ、当協定が意図しているのは、就労困難者支援だけでは無いのです。


 当協定は、就労困難者を雇用するという施策に加え、膨れ上がる生活保護費を抑制していくという財形健全化の為の攻めの施策という側面もあります。


 近年、各自治体における生活保護費が右肩上がりで増加しており、それぞれの自治体の財政を圧迫しています。


四日市市においても、平成27年度予算で65億円の生活保護費を計上しています。


 セーフティーネットとしての生活保護施策を維持しながら、その金額を抑制していけるかは、これからの自治体運営にとって極めて重要な課題となっています。


 その方策の一つとして、生活保護受給者及び潜在的な生活保護受給者の就労支援があります。


 「就労困難者」は、現在生活保護受給者若しくは、将来的に生活保護受給者となる可能性が極めて高いです。


 ですから、就労困難者の就労を促進することにより、生活保護受給者を減らし、しかも納税者として市に税金を納めて頂くことが可能になります。


 就労困難者の就労支援は、単なる弱者救済の為の福祉施策では無く、生活保護費の抑制し更には税収増加を図れる可能性のある大変影響の大きい施策なのです。


 そして、そこで捻出出来た資金により新たな福祉分野に予算を配分出来るというプラスの流れを作ることが出来るのです。


 就労困難者の支援は、就労困難者個人の問題では無く、自治体全体の大きな課題解決につながる大変重要な施策なのです。


 これまでの福祉政策という考え方を少し変えて、行政が重要施策と掲げ攻めの福祉政策を行っていくことが今後の自治体運営に求められます。


 最後に、「ISFnetグループ」は川崎市と「就労困難者の雇用に関する包括連携協定」を締結した1年後に生活保護受給者102名の雇用を達成しました。


 何事にも、真剣に取り組んでいけば物事は進んでいきます。


 四日市市の行政運営においてもこういった攻めの福祉政策という考え方を取り入れるべきだと考えます。