現在開かれている11月定例月議会において、『ふるさと納税(ふるさと応援寄付金)』に対する「感謝の気持ち」贈呈経費480万円の補正予算案が上がっています。


 四日市市はふるさと納税して頂いた方に、金額に応じて「感謝の気持ち」として、四日市市の特産の『かぶせ茶』や『万古焼』、『地酒』等を贈呈しています。


◆四日市市HP

http://www5.city.yokkaichi.mie.jp/menu4910.html


 今回のブログでは、この『ふるさと納税(ふるさと応援寄付金)』の実態について掘り下げていきます。


「ふるさと納税」とは厳密に言うと自治体への寄付金であります。


 皆さんがある自治体へ寄付を行い確定申告を行うと、寄付金の内2,000円を超える部分について、一定限度額まで所得税の軽減・住民税の控除が受けられます。


 例えば、四日市市にお住まいの方が他の自治体に20,000円の「ふるさと納税(ふるさと応援寄付金)」をすると、合計18,000円の所得税の軽減・住民税の控除が受けられ、実質2,000円の負担で20,000円の寄付が出来るのです。


 皆さんが居住地以外の自治体を応援したい!居住地以外の自治体に税金を負担したいと思ったら、この『ふるさと納税(ふるさと応援寄付金)』を利用すればその思いが叶うことになります。


 こういった制度の下、四日市市では、四日市市にふるさと納税して頂いた方に、「感謝の気持ち」という記念品をお渡ししているのです。

 つまり、四日市市に対するふるさと納税が当初の予測を上回った為に、お渡しする記念品の金額が増えたことから、今議会で480万円の補正予算が上程されたということです。



 これだけを見ると、四日市市にとって良い話に聞こえますが、ただこの話には続きがあるのです。


 先ほどの例で、四日市市在住の方が他の自治体に20,000円寄付した場合、所得税の軽減・住民税の控除が18,000円分される為、実質2,000円の負担で寄付出来ると書きました。


 それでは、この18,000円は誰が負担するのでしょうか。


 所得税・住民税の納付先はそれぞれ国・地方自治体になりますから、この例の場合ですと国と四日市市・三重県になります。


 平成25年度、四日市市に行われた「ふるさと納税」は128万円でそれに対する「感謝の気持ち」の記念品額が90万円なので、正味の歳入は38万円になります。


 一方で四日市市民が他の自治体に「ふるさと納税」をし四日市市が税額控除した金額が519万円。


 つまり、四日市市は、「ふるさと納税」で平成25年度は481万円の持ち出しとなっているのです。


「ふるさと納税」の制度は、素晴らしい制度だと思いますが、その制度が四日市市にはマイナスの影響を与えているのです。


 私が今回ブログで当記事を取り上げたのは、四日市市が「ふるさと納税」制度でマイナスの影響を受けている為、ひがみの気持ちで書いた訳ではありません。


 当制度の裏側には、本来の「ふるさと納税」の趣旨を逸脱する過当な自治体間競争が存在するのです。  


 次回のブログでは、過当な自治体間競争の裏側に迫っていきたいと思います。