7月28~30日と、以下の日程で会派視察を行いました。


■7月28日 『サツマソイル(汚泥発酵肥料)』について 〔鹿児島県鹿児島市〕


■7月29日 『殺処分0』について 〔熊本県熊本市〕


■7月30日 『市街化調整区域の地区計画』について 〔岡山県岡山市〕


 今回のブログでは、熊本県熊本市の「殺処分0」について取り上げます。


熊本市は、犬猫の殺処分ゼロを目指し、取り組みを行っています。



 保健所は通常、都道府県の所管ですが、ある一定の規模の自治体にはその運営権限が移譲されます。


熊本市は政令指定都市であり保健所の運営は市が行っています。


 ちなみに、四日市市も保健所政令市であり、市が保健所の運営を行っています。


 市が保健所の運営権限を有している自治体は、独自で保健所の運営方針を決める事が出来るのです。


 そういった中、熊本市は独自策によって、犬猫の殺処分0を目指しています。


 その取り組み結果は数字に如実に現れており、平成15年度の殺処分は犬:285匹、猫:963匹であったものが、平成25年度には殺処分が犬:5匹、猫:8匹と驚く程の減少となっています。


 では、どういった取り組みで殺処分を減らしているのか。


◎保健所に入ってくる数を減らす


 ・飼育放棄する飼い主への粘り強い説得により引き取り数を減らす。


 ・犬に迷子札をつけさせる運動をし迷子犬対策を行っている。


◎保健所から出ていく数を増やす


 ・迷子犬等をHPや新聞広告等に掲載し、飼い主探しに力を入れている


 ・保護した犬にしつけを行い、新しい飼い主への譲渡を積極的に行う


 この様な取り組みにより、先程も紹介しましたが犬猫の殺処分数がほぼゼロの水準にまで落ちてきました。


 一方で、四日市市は独自の運営権限を持っていますが三重県の方針を踏襲しながら、県下の他の保健所と同様なレベルで保健所運営を行っております。


 三重県でも、犬猫の殺処分の減少を目指しており現在減少傾向にあるものの、まだ道半ばといった所です。


 四日市市における犬猫の殺処分は、平成25年度で犬:20匹、猫:322匹となっています。


県全体でみると、熊本県より三重県の方が殺処分率が低いのですが、熊本市と四日市市を比べるとそれが逆になり大きく溝をあけられています。


 飼い主のモラル向上が大きなポイントなのですが、熊本市では市レベルでも『動物の愛護及び管理に関する条例』を制定し、殺処分ゼロに力を入れています。


 保健所運営権限を持っている四日市市だからこそ、三重県の取り組みから更に一歩踏み込んだ施策を展開していくべきだと考えます。


 今回、視察させて頂いた熊本市の取り組みから、学ぶべき点は多いです。