6月9日から、四日市市議会 平成26年6月定例月議会が始まりました。
6月定例月議会を迎えるにあたり、四日市市議会では6月2日に『議案説明会』が開かれ、当議会における上程議案の説明が行われました。
その議案説明会で最も多くの質疑が行われたのが、『競輪場施設整備事業』に関してでした。
当事業について市から以下の説明が行われました。
当初市は、今年度に競輪場メインスタンド2階特別観覧席の改修工事を予定していました。
しかし、今年3月に、競輪場のメインスタンドが現在の耐震基準を満たしていないことが判明しました。
この事により、市は今年度中に予定していた改修工事の予算を代用し「メインスタンドの耐震診断」を優先的に行うこととしました。
なぜ、メインスタンドが耐震基準を満たしていなかったのか。
メインスタンドは昭和62~63年度に特別観覧席設置工事に合わせて、耐震補強を行いました。
当時の「既存鉄筋コンクリート耐震診断基準改修設計指針」では、Is値(耐震性を表す値)が0.4以下は耐震性能に疑問ありという見解を示しておりました。
昭和62~63年度の耐震補強によって、メインスタンドの耐震性は0.31から0.46と向上しました。
基準を下回っていたメインスタンドの耐震性が補強工事により、基準を上回る耐震性となりました。
そこまでは良かったのです。
しかし、その後の平成2年に「既存鉄筋コンクリート耐震診断基準改修設計指針」が改定され、Is値は0.6以上必要とし、耐震性能の基準値が引き上げられました。
Is値が0.46であるメインスタンドはこの時点で耐震基準を満たさなくなりました。
その後、四日市市は平成10年から市有建築物全体の耐震診断・耐震補強工事を実施しましたが、競輪場メインスタンドの耐震性は、昭和62~63年度の耐震工事で耐震基準を満たしていると誤認し、競技場メインスタンドの耐震診断・耐震補強工事は行いませんでした。
つまり、平成2年に耐震基準がIs値 0.6以上に引き上げられた時から、今までの23年程競輪場メインスタンドの耐震不足が続いていた事になります。
その事に、四日市市は今年3月に気付いたのです。
これにより、今年度の予算組み換えで、急遽メインスタンドの耐震診断を行う事になったのです。
ここまでは、理解が出来ます。
しかし、ここで注意しなければならない点があります。
それは、今年3月にメインスタンドの耐震不足が発覚した後も、メインスタンドの利用を行っているという事です。
私は議員説明会における質疑で、3月以降は耐震不足が明らかになったにも関わらずメインスタンドの利用を継続している事が、安全上問題無いのかと問いました。
しかし、市側はその問いに十分に答える事が出来ませんでした。
市の準備した資料には、メインスタンドはIs値0.6以上を一部満たしていない部分もあるものの一定の対策を講じていることから、一度に倒壊する恐れは低いと考え、メインスタンドの使用を許可すると記載してあります。
果たして、耐震診断を行う前から本当に安全上問題無いと判断出来るものなのか。
四日市競輪場を利用される方の安全に関する重要な部分ですので、今後の議会審議で市がメインスタンドの使用を認めている客観的な根拠の追求が行われることになります。