前回のブログで、『四日市市初のスクールシャトルバスの運行』について書きました。


《参考:前回ブログ》

■四日市市初のスクールシャトルバスが運行 ~これまでの議会審議を振り返る~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11817854098.html


 今回のブログでは、四日市市内の小学生の通学事情を取り上げていきたいと思います。


先日開催した水沢地区の市政報告会に、小山田地区の鹿間町の方に参加頂きました。


将来、小山田小学校に通う事になるお子様を持つ親御さん2人でした。


 鹿間町の小学生は長期に渡り、バスを使って小山田小学校に通学していました。


 このバスですが当初は路線バスとして運行されていたのですが、平成3年に路線バスが廃止になり、このタイミングで四日市市と鈴鹿市の共同自主運行バスとなりました。


 その後、平成12年に自主運行バスも廃止になり、三重交通が代替手段としての小学生の通学用のバスが運行される様になりました。


そのバスも平成25年3月に廃止となり、鹿間町の生徒は平成25年度から完全な徒歩通学となったのです。


 徒歩通学になった生徒達は、毎日片道4km以上を1時間以上掛けて通学しています。


通学路の途中には人気の無い箇所も沢山あり、不審者等に襲われる危険も存在します。


 そういった中、市政報告会にお越しになった親御さんから、「何とかバスを復活させられないのか」、「それが無理なら小山田小学校よりも近い鈴鹿市にある小学校に通わせる事は出来ないか」という相談を受けました。


 教育委員会は車の交通量で通学路の危険性を測ったりしますが、逆に交通量が極端に少ない山道等においても不審者リスクが存在し違った点で危険性は増す事になります。


 昨年の朝明中学校の生徒が殺害された事件においても、人通りの少ない道で発生しています。


親御さんの気持ちも十分に理解出来ます。


 ただ、現在のルールからすると、子供達に毎日片道4km以上、1時間以上掛けての通学をお願いしていかねばならないのが現状なのです。


 まず、現実的にバスの運行は難しいです。


 これは、市と鹿間町が長期に渡り、バス運行に関する協議を続けて廃止が決まった経緯があり、それを廃止数年後のこのタイミングで戻すというのは現実的に難しいと言えます。


 また、子供をより近い鈴鹿市の学校に通わせるという件ですが、四日市市教育委員会は小学校の学校区において『選択可能地区』を設けています。


 通常の校区より通学距離が短い学校が存在する等、特に通学距離に配慮が必要な場合は学校を選択可能としているのです。


 では、教育委員会が設けている『選択可能地区』に鹿間町が該当するかというと、今回は該当しないのです。


 なぜか。


それは、この『選択可能地区』というのは、四日市市内のルールであって自治体をまたぐ例えば鈴鹿市への越境通学には当てはめることが出来ないのです。


 となると、心苦しいですが既存のルールの中では、先述の通り、子供達に片道4km以上、1時間以上掛けての通学をお願いしていかねばならない事となります。


 こういった事案は、議会でもこれまであまり取り上げられて来ませんでした。


 自治体間を超えた『学校選択可能地区』の弾力的な運用についても今後議会でも積極的に問題提起していきたいと思います。

 加えて、他地区の皆様には、こういった通学環境の小学生が市内に存在する事を知って頂きたいと思います。


 こういった通学環境を余儀なくされている生徒がいる現状を踏まえ、今回の四日市市初のスクールシャトルバス運行については市内全域の通学環境の公平性の観点から、一定の規律を求める様に強く教育委員会に迫った訳であります。