今回のブログでは、『公平性とは何か』を皆様に問いたいと思います。


 『公平性』とは主観が伴うものであり、何をもって公平かはそれぞれ各人の価値観、考え方によって異なるものであります。


 従って、全ての人間が同じ公平性という基準を持っている訳ではありません。


 『公平性とは何か』を考えさせられる議論が、先日の11月定例月議会 予算常任委員会の場でなされました。


 市は、「中小企業新エネルギー導入等促進事業費補助金制度」を設けています。


 この制度は、温室効果ガス排出量の削減を促進するため、市内の中小企業が行う省エネルギー診断、新エネルギー等設備の導入及び省エネルギー設備への更新に要する経費の一部を補助するというものです。


 条件によって補助率は異なりますが、対象経費の3分の1以内(1,000万円を上限)の補助を受ける事が出来ます。


 この補助金制度は過去毎年1回実施されており、平成24年度も当初予算で5,500万円の枠取りが行われており、6月29日で締め切られています。


 5,500万円の予算枠に60件(前年度32件)の応募があり、現在20の事業者が補助を受ける事となっています。


 60件の募集者から補助対象者を決定する方法として、募集者全員で抽選会を行い1~60位までの順番を付け、上位の方から補助金を割り当てていくという方法を取っています。


 そして、現在上位20番までの方が補助を受けられることとなっています。


辞退者や工事費が低く抑えられた場合に、下位の方に順番が回ってきます。


その為、現在20件という書き方をしており、1月31日まで下位の方には可能性が残ります。


 これまで説明したのは、当初予算5,500万円の枠に対しての「中小企業新エネルギー導入等促進事業費」であり、これはこれで問題無く手続きが進められています。


 今回、「公平性」が議論となったのはこの「中小企業新エネルギー導入等促進事業費」の補正予算についてです。


 市は、今11月定例月議会において「中小企業新エネルギー導入等促進事業費補助金」について3,450万円の補正予算を上程しました。


 例年、年1回の募集で30件前後の募集件数に留まるのに対して、今年度は電力買取制度の改正等もあり、例年の倍近くの60件の募集がありました。


 市民のニーズの高まりを受けて、市は「中小企業新エネルギー導入等促進事業費補助金」について、3,450万円の追加の予算を計上しようと判断した訳です。


 この3,450万円の使われ方について、四日市市議会が紛糾しました。


 市は、所管委員会である「都市・環境常任委員会」にて、この3,450万円の補正予算を使って、仕切り直しで改めて補助金募集を行うとの説明がありました。


 しかし、「都市・環境常任委員会」の議論にて、第1回目の応募者の60人に対して順番を付しており、まだ順番を待っている方も居る状況において、補正予算を組むのであれば3,450万円については追加募集を行わず、第1回目の抽選に漏れた40件の応募者に対して補助金を交付するのが公平だという委員会の意見になりました。


 そして、「都市・環境常任委員会」において当補正予算に対して以下の附帯決議(予算執行にあたっての条件)が付されました。


 「中小企業新エネルギー導入等促進事業の追求実施に当たっては、今年度募集を行った際に抽選に当選しなかった41件(当時の件数)を対象とし、新規の募集は行わないものとする。」


 しかし、私としての見解は、第1回目の募集は当初の条件通り5,500万円で完結しており、改めて予算を付けるのであれば第2回目の募集として全市民に窓口を広げ実施するのが公平と考え、「都市・環境常任委員会」で付した附帯決議について違和感を覚えました。


 私は、残り40件という相手が見える形での追加予算の付与は、利益誘導とも捉えられる可能性があるのでその様な予算執行はすべきで無いと予算常任委員会の場で発言しました。


 ただ、第1回目の対象者の確定が1月31日であるのに、その前に追加募集を行う事は第1回目の募集者に対して不親切であり、不信感を与える事にもなる為、控えるべきであると述べました。

(しかし、電力買取りの手続きの関係から、第2回目を行うのであれば1月中に募集を行う必要があるとの事でした。)


 追加の補正予算を第1回目に漏れた順番待ちの方を対象に行うのか、市民全体に対して行うのか、どちらが公平なのか。


 私は、公の予算である以上、オールリセットして再度募集を行う後者が公平であると考え、予算常任委員会の場で当該予算に付された上記の附帯決議に反対しました。


 予算常任委員会では意見が二分し、最後の採択で前者である「第1回目に抽選に漏れた方を対象に行うべき」という意見が多数を占め、当補正予算には都市・環境常任委員会の議論の通り、上記の附帯決議が付される事になりました。


 「私の公平性」と「議会の公平性」の考え方に違いが出たケースでありました。


正直納得はしてませんが、『公平性とは何か』を考えさせられる予算常任委員会の議論でした。