12月10日、四日市市議会 11月定例月議会にて一般質問の場を行いました。


 今回行った質問項目は、前回のブログでアウトラインを紹介した

『㈱四日市市生活環境公社 資産運用損 失われた2億円について』でした。


 (通告したもう1項目の「本市の財政改善は本物か」は質問時間の都合上、次回以降の一般質問に回すことになりました。)


 前回のブログでは、四日市市が40%出資しをしている㈱四日市市生活環境公社において、確定、未確定合わせて資産運用損2億円が発生した背景とその重大性について書きました。

(⇒http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11421452268.html


 この2億円の損失ですが、以前の取締役が資産運用規定に反する投資リスクの高い「仕組債」という債券を、取締役会に図ること無く独自の判断で購入した事に起因します。


 この2億円の損失は、以前の取締役個人の責任と見ることも出来ますが、「四日市市生活環境公社」そして「四日市市」という組織の責任も大きいという事を今回の質問で訴えました。


 この四日市市生活環境公社の資産運用損2億円が明らかになったのは、10月18日の都市環境常任委員会の場でですが、その場で市側は今回の損失は生活環境公社の経営に影響を与えないと説明しました。


 それを聞いて私は2億円の損失を被って経営に影響は無いとは、生活環境公社はどんな経営をしているのかと思い、生活環境公社が設立された昭和61年度からの全ての財務諸表を入手し、生活環境公社の経営内容の分析を行いました。


 すると、生活環境公社の過剰な資金保有が見えて来ました。


 直近の平成23年度の貸借対照表をチェックすると、利益剰余金が6億8千万円、そして現金預金は3億円あります。


今回の仕組債2億5千万円は資金運用で購入されていましたからこれを資金と捉えると5億5千万円もの手持ち資金があったという事になります。


 売上高が8億円しか無い生活環境公社に、手持ち資金5億5千万円は非常に高い水準になります。


 利益剰余金が6億8千万円、手持ち資金が5億5千万円に膨れ上がった理由は、

①経常的に年間数千万円の利益を計上している事

②年間数千万円程度ずつ増えていく資金に対して、新規事業計画も無く、既存の事業も特に大きな設備投資も必要無い為、資金が使われるケースが無い事

です。


 この様な理由から、生活環境公社は5億5千万円もの資金を有する様になり、ダブついた大量の資金があるから今回の様な投資リスクの高い仕組債に手を出してしまったと考えます。


 私は、生活環境公社は本業に専念する為にも本業に必要な資金しか手元に有してはいけないと訴えました。


 生活環境公社は経常的に年間数千万円の利益を計上していると書きましたが、生活環境公社の売上の95%は市からの受注なのです。


 つまり、市民の税金が生活環境公社に流れ、ダブついている。挙句の果てには、仕組債という投資リスクの高い債券の購入に充てられ、2億円を超えるお金が泡と消えているのです。


 話になりません。


 私は、市は意図的に生活環境公社に利益が生じる発注価格を設定してるのでは無いかと詰め寄りました。


 市は、国や県の基準にのっとって積算を行っているとの答弁であり、それ以上の回答は引き出せませんでした。


 次に、「発注価格が妥当だとすると生活環境公社の利益は企業努力から成し得ていると言える。

そうであれば、利益は役員の経営努力や現場の業務改善の賜物であるので、役員・従業員に還元するべきでないか。

それでも資金が余るのであれば、市は生活環境公社の40%の株式を持つ筆頭株主として、配当を求めていくべきではないか。」


 と、訴えました。


  市は、今後の経営に不安があるとして、生活環境公社の配当は行わないとの答弁でした。


 新規事業や追加の設備投資を予定しているのであれば、ある程度の内部留保が必要である事は理解出来ます。


 ただ、既存の事業を粛々と行っていくだけの生活環境公社には多くの手持ち資金は必要ありません。


 今回の不祥事も多額の不要な資金を手元においていたから発生した訳で、必要でない資金は株主に配当として還元すべきであると考えます。


 市は、配当を否定したものの最後に代表監査に私の持論をぶつけました。


 代表監査は、私の持論に一定の理解を示して頂き、今後の出資団体監査においても配当という考えを持って臨んでいくという答弁を頂きました。


 今回の一般質問は、スリムでスマートな行政運営を行っていく上で非常に重要な視点であると考えています。


 公認会計士の視点からの切り込みですので、少しマニアックになってしまいましたが、市民の税金が有効に使われる様にこの問題については引き続き検証していきます。


 詳しくは、市議会のHPで質問の状況を掲載しています。

(12月13日の時点ではまだアップされていませんでしたが、)

ぜひ、ご覧になって下さい。


http://www.kensakusystem.jp/yokkaichi-vod/cgi-bin4/ResultFrame.exe?Code=5fjfx2r8vulr8lmxj3