11月9日、四日市市議会一期生勉強会で以下のスケジュールで視察を行ってきました。


・保々工業団地

・人権プラザ小牧

・桑名市立中央図書館


 この3つの視察先の中で、最も時間を費やしたのが「桑名市立中央図書館」です。


【桑名市立中央図書館】


 桑名市は、「桑名市立中央図書館」を核とした「くわなメディアライヴ」という複合公共施設を平成16年に整備しています。


 4階建てで、延べ床面積が8,150㎡という非常に大きな立派な建物でした。


森智広のブログ

この「くわなメディアライヴ」ですが、PFIという手法で建てられています。


 PFIとは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法です。


 つまり建物の建設に加えて一定の期間の運営・維持管理まで含めて、一括して民間に委託する訳です。


 この手法を活用したメリットを担当者に尋ねたところ、


①全てを一括して入札に掛けるのでトータルコストを低く抑える事が出来る事


②民間に運営・維持管理を任せる為、行政よりも柔軟な運営が可能になり年間300日以上の営業日を確保しAM9:00~PM9:00までの開館となった事


③30年間の運営費を一括で委託する為、30年間の図書購入費が確保される事


等を挙げられました。


 施設の新しさもありますが、開館時間のPM9:00までの延長や利用者増の取り組み施策の効果から、以前の図書館では年間の利用者が25万人程度だったものが、平成23年度においては2倍以上の60万人となっています。


 また、年間の貸出冊数も以前に比べ3倍を超える数字となっています。


 民間の運営の柔軟さと創意工夫を改めて感じさせられました。


ちなみに、四日市市立図書館は平日はPM7:00、土日祝日についてはPM5:00で閉館となります。


 使い勝手という点では、圧倒的に桑名市立中央図書館が勝っています。


 ちなみに、PFIについて以下のデメリットを挙げられました。


①当施設はBOT方式で建てられており、BOT方式は所有権が民間にある契約(契約終了後の30年後に行政に所有権移転)となっており、当時のルールでは所有権が民間であるので国からの補助が得られなかった事(現在は、国の法整備により当問題は解消)


②30年間という長期契約のリスク


 

 四日市市においても、新しい図書館をという声はあります。


 財源の課題もあり直ちに建替えという話は困難ですが、運営方法のあり方や市民の方の利便性向上については、非常に参考になる視察でありました。