7月26日に産業生活常任委員会の視察で、『四日市競輪』に行ってきました。


全国に競輪場は44場あり、中部地区には四日市を含め8場あります。


森智広のブログ


 今回のブログでは、四日市競輪の経営実態について書いていきます。


皆さんは、四日市競輪の経営状況をどこまでご存知でしょうか。


 儲かっているのか、儲かっていなのか。赤字なのか、黒字なのか。


 四日市競輪は四日市市の会計の中で、競輪事業特別会計に位置付けられており、一般会計とは切り離された独立採算で事業は行われています。


 以前は、競輪事業はドル箱事業でした。


 例えば車券売上金額が最も高かった平成3年度においては233億円の売上を上げており、残った利益の中から15億円を一般会計に繰り出ししていました。


 つまり、一般会計は本業、特別会計は副業とすると、副業が儲かって本業に支援をするという構図になります。


 しかし、平成3年度をピークに車券売上金額も減少傾向になり、平成17年度には車券売上金額がピーク時の56.5%の132億円まで落ち込みました。


 この頃が最も経営が悪化した時期であり、単年度収支がマイナスになる年が続きました。


当時、全国の競輪場の中でも四日市競輪は下から数えた方が早いくらいの経営状況でした。


経営悪化に伴い、平成18年2月に「四日市競輪の今後のあり方検討委員会」が立ち上げられました。


この委員会の最終報告が平成18年7月に出され、明確な存続基準(裏を返せば撤退基準)が設けられました。

 競輪事業の抜本的見直しが必要になり、平成19年度四日市競輪は「ナイター競輪」を開始しました。


この「ナイター競輪」が当たった事と並行して実施したコスト削減策が功を奏し、平成19年度以降四日市競輪の経営状況は大きく改善しました。


 そして、直近の平成23年度では、事業収支が3億円の黒字となり、内1億円を一般会計に繰り出しています。


 ちなみに、最も業績が落ち込んだとされる平成17~18年度でさえも、継続する赤字部分を過去の積立金(繰越金)から補填しており、一切一般会計からの繰り入れは行っていません。


 あくまでも独立採算を貫いているのです。


 つまり、現時点においては競輪事業は、市の財政に大きく寄与していると言えます。

 

 一時、撤退の可能性があった四日市競輪ですが、現在では経営改善に向けて様々な取り組みがなされており、全国でも有数の先進的な競輪場になっています。


 こういった事も、市民の皆様にご理解頂ければと思います。