3月16日の四日市市議会 2月定例月議会 予算常任委員会の最終日、終わったのは日をまたいで午前3時過ぎでした。


 最終日大きな議論になった審査の一つに、『大矢知中学校新設事業予算』があります。


 以前から、私は大矢知中学校の新設事業については近隣中学校に与える影響から、通学路の見直しを含む中学校適正化計画の見直しがセットであると訴えてきました。


 昨年の9月定例月議会においても、『新総合ごみ処理施設の地元対応で、教育環境に与える影響を無視して整備されようとしている大矢知中学校新設事業』について一般質問を行いました。

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11018690885.html


 しかし、これまでの訴えにも関わらず、市からは抜本的な改善策は何も提示されませんでした。


 そして、この2月定例月議会の平成24年度当初予算において、7億円の大矢知中学校土地買収等費用が上げられてきました。


 今回の2月定例月議会の平成24年度当初予算の審査が、ビジョン無き大矢知中学校新設事業にストップを掛ける事の出来る最後のチャンスでした。


 そういう状況の中で臨んだ予算常任委員会。


 実は、拙速さが否めない大矢知中学校新設に何としてでもブレーキを掛ける為に、私は予算常任委員会の場にて『大矢知中学校新設事業予算』7億円全額を減額した修正予算案を提出しました。


 予算常任委員会に、就任1年にも満たない新人議員が修正予算案を提出するというのは前代未聞とのことです。


 しかも、我が会派「リベラル21」は新設賛成の立場を取っており、11人中新設反対の立場を取ったのは私と伊藤嗣也議員含む新人議員3人でありました。


 会派を2分する結果となりましたが、それでも理不尽な事は理不尽であると訴え続けていかねばならないという意思を貫いて、修正予算案の提出に至りました。


 予算常任委員会での修正予算案は私が提出し、趣旨説明を述べました。


修正予算案提出時の発言要旨は以下の通り。


 l 大矢知中学校新設において大きな影響を受ける朝明中学校含む近隣中学校の生徒数減という問題を先送りにし、教育的見地から何のビジョン、方向性も持たない大矢知中学校の新設事業を推し進める事に大変危機感を抱いている。



 l 大矢知中学校の新設は、少子化社会を迎える我が市にとって今後避けては通れない小中学校の統廃合の流れに矛盾するものであり、今後の統廃合に大きな支障を与える事になる。〔現に、東西橋北小学校、三浜小学校・塩浜小学校の統合問題は混迷を極めている。〕



 l 自らの地元西陵中学校においても生徒数減少が進んでいる。生徒数減に苦悩し、悲しみを覚える当事者として、友達の数が少ない、部活動が充分に出来ないという苦しみを人工的に増加させることはあってはならない。



 l 市長が言う特例措置にて朝明中学校に統廃合が適用されないとしても、小規模校が生まれる事は確かである。生徒数の少ない学校では適切な学校環境といえない。



l また、そもそも当初大矢知中学校の新設事業は中学校建設にかかる基本構想の策定や学校用地の選定・確保は新総合ごみ処理施設の稼働時に何らかの形での着手の姿を見せることとしていいた〔教育委員会資料〕。しかし、地元からの要望により平成284月開校とスケジュールが前倒しされている。この変更についても昨日の市長との答弁から納得いく返事が頂けていない。



l 本市のごみ処理行政が抱えている問題から新総合ごみ処理施設の必要性は十分に認識している。その上で、懸念されている新総合ごみ処理施設の土地取得は行政代執行という選択肢で最悪担保される。昨日の市長の発言で大矢知中学校の新設が無ければ新総合ごみ処理施設の建設は100%無いということは間違いである。そういう状況であるにも関わらず、あえて教育環境悪化の選択肢を取った大矢知中学校の新設は問題があると考える。



l これらの趣旨から 大矢知中学校新設事業予算全額を 減額した予算修正案を提出する。



l 先輩議員に申し上げたい。平成23年度予算において、大矢知中学校新設に関する調査費用の決議がなされましたが、その決議は大矢知中学校新設そのものを認めるものでは無いと考える。



l 本議会がビジョン無き大矢知中学校の建設を止めることの出来る最後の機会と考える。ぜひとも、ご理解頂きたい。



 こういった流れで、修正予算案が提出されました。その後、各議員から修正予算案に対する質問、賛成討論、反対討論が述べられました。


 平成24年度当初予算審査の中で最大の懸案事項の一つであった大矢知中学校新設事業関連予算であったことから、多くの時間が割かれ議論されました。


 そして、決議。


 新人議員で作り上げた修正予算案について、賛成16人、反対19人となり、残念ながら賛成少数で否決となりました。


 従って、〔大矢知中学校新設事業予算全額を認める〕原案が認められたという形になりました。


 結果としては、大矢知中学校の新設が議会で容認されたという事であります。


 何としてでも教育環境に悪影響を与える無条件での大矢知中学校新設は食い止めたかったのですが、私自身も決議の結果については重く受け止めねばなりません。


 これからは、大矢知中学校の新設が近隣中学校に与える影響を極力、緩和、是正していく方向での取り組みを行っていかねばなりません。



 

 無謀ともいえる就任1年にも満たない新人議員の修正予算案の提出。


その案に先輩議員含めて16名の議員の賛同を得る事が出来たのは、大きな事であったと感じます。


 四日市市議会に一石を投じる事が出来たと思いますし、大勢、前例に流されず戦う事は大切なことであると感じました。


 これからも、自らの信念を貫いて、四日市市の未来の為に遠慮せずに提言し続けていきたいと思います。


議員として大きな経験をさせて頂いた2月定例月議会 予算常任委員会でした。