1月23~25日に掛けての会派視察報告第2弾です。


以下の会派視察のスケジュールは以下の通りでした。


23日:岩国学校給食 【岩国市】

24日:水俣病資料館 【水俣市】

25日:鹿児島市北部清掃工場 【鹿児島市】


 今回の視察は、四日市市の抱える課題・問題とリンクするものが多く、


非常に有意義な視察を行うことが出来ました。


 今回のブログでは、「水俣資料館」について報告します。



②水俣病資料館

 先日のブログでも書きましたが、現在四日市市は四日市ぜんそくに関する「(仮称)公害に関する資料館」の整備を推し進めています。


〔過去のブログ〕

●四日市市 『(仮称)公害に関する資料館』整備について①

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11136535491.html


●四日市市 『(仮称)公害に関する資料館』整備について② ~塩浜地区の反応~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11140215363.html


 「(仮称)公害に関する資料館」の整備については、整備予定であるヘルスプラザの地元塩浜自治会の反対決議等、様々な問題を抱えています。


 当件については、今後議会においても議論されていく予定であります。


 今回、水俣資料館を視察し、水俣病の被害の実態を深く知る事が出来ました。


人命より経済成長、利益を優先させた、時代背景。


 被害の深刻さ、そして、被害を受けた方に対する差別、偏見、更には、地域の風評被害。


 水俣病が当地域に与えた影響は、自らが想像する以上のものでした。


 こういった事実があった事、水俣の人々がその事実と戦い続けてきた事の発信、そしてその状況からの前進の為に水俣病資料館は作られたと認識しています。


 水俣市は、環境都市の取り組みに力を入れ、2011年には「第10回持続可能な地域社会をつくる日本の環境首都コンテスト」にて環境首都の称号を得ています。


 水俣病の教訓を活かし、水俣市が環境にこだわり今や先進都市へと脱却している姿、四日市市も見習う点があると感じました。



 この視察を踏まえて、私が四日市市の「(仮称)公害に関する資料館」整備に向けて、課題であると感じた点は以下の3点です。



(1)国や県との連携


 ここで、水俣病資料館の建設費について触れます。


 水俣病資料館の建設費は6億1千万円です。


建設費は、国や県の協力があり、国:県:市=8:1:1の負担割合で費用を負担しています。


つまり、市は建設費の10分の1の費用(6,100万円)の負担に留まっています。


 四日市市においては、国や県の協力がどこまで得る事が出来るのかが重要なポイントであると考えます。



 ちなみに、水俣病資料館は市立ですが、資料館は県立の公園の中にあり、県立公園整備と同時に建設されています。


 補足ですが、第二水俣病(新潟水俣病)に関する施設である『新潟県立環境と人間のふれあい館(新潟水俣病資料館)』は県立、イタイイタイ病に関する施設である『富山県立イタイイタイ病資料館』も県立であります。


 四日市市の「(仮称)公害に関する資料館」についてもどこまで県や国の資金援助含めた連携がとれるのか、そして、そもそもなぜ市立で行う必要があるのかという点も整理していかねばなりません。


 更に、県との協力の下、県下の小学生は授業の一環で必ず水俣病資料館へ勉強に来るとのことです。


こういった教育という視点でも、県と連携がとれるのかが重要です。



(2)財源


 水俣病資料館は、入場料無料で運営費は全額公費負担としています。


 上で述べた、『新潟県立環境と人間のふれあい館(新潟水俣病資料館)』、『富山県立イタイイタイ病資料館』も入場料は無料と設定しています。

 

 水俣病資料館の運営費は平成23年度予算で6,890万円を予定しています。


 他の施設の運営費は分かりませんが、四日市においても入場料を無料にするのであれば全額公費で、何千万かの費用を負担する事になります。


 これについて市民の理解が得られるかという点。



(3)市民の意識


 水俣病資料館は、平成5年1月に開館しています。


ちなみに、水俣病の協定締結による紛争終結は平成8年9月です。


水俣病資料館は紛争中に開館された事になります。



 四日市ぜんそくにおいては、裁判所の最終判決が昭和47年で40年もの月日が経過しています。


その40年の月日を市民はどう感じるのかです。


 今もなお、ぜんそくで苦しまれる方々がいる反面、既に公害は終わったものと感じている市民も多い事は事実です。


 40年も整備されなかった施設が、なぜ今なのか。


 既にある本町プラザ内の「公害資料館」や環境学習センターとの棲み分けや税金の負担の件を含め、市民の理解を得る事も高いハードルであると感じます。





 水俣病資料館の視察から、上記の課題が見えてきました。


視察を行う事によって、今後の市政に対してここまでの考察が出来た事は中身の濃い視察が出来たといえます。




 実は、明日(1月27日)、四日市市議会の議員説明会で市の方から「(仮称)公害に関する資料館」に関する最新の説明を全議員が受けることになっています。


その際に上記に挙げた課題について、市にぶつけてみたいと思います。


 この点について、踏み込んだ回答を得る事が出来た場合は後日のブログで紹介していきたいと思います。