東方医学者 天宮蒼の診察2/9 | 森ソース

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絵がからっきし下手な男が小説を書いてみました。

基本的には、短編が多くなると思います。


森ソース-雨宮蒼


「天宮治療院?」


女刑事は治療院の看板に余計訳が分からなくなっていた。


「ああ針、灸、接骨、整体とか何でもありの治療院だ、肩こりとか腰痛なんかでちょくちょく世話になってんだよ」


「はぁ・・・」


「ちゃんと有資格の先生だから大丈夫だって!」


鬼頭は含みのある笑みを浮かべながら、手招きをした。


「そうじゃなくて・・・」


呆れた様子の女刑事を尻目に鬼頭が院内に入ると、

不安な様子で女刑事もそれについて入った


「せんせー!」


鬼頭が院内に響き渡らんばかりの大声で叫んだ


「やぁ、鬼頭警部、どうしたんですか?」 


その呼び掛けに応じ、奥の扉から線の細い白衣の男が姿を現す。


「今日は事件のことでね、高峰、こちらが院長の天宮 先生だ」


「どうも、鬼頭の部下の高峰 瑠璃です」


女刑事は蒼と呼ばれるに男に名を名乗り、深々とお辞儀をした。


「奥へどうぞ」


瑠璃達が奥へ通されると蒼はお茶を出してくれた。


「うっ!」


そのあまりの苦味に、瑠璃は一瞬表情を歪めた。


「ハーブティーです。少し癖はありますがとても身体にいいんですよ。で、今日はどんな事件ですか?」


「まぁ平たく言えば刺殺なんだが、犯人は”怖い笑顔の男”・・・だそうだ。他の癖とか目的とか判るとうれしいんだがな!」


そう言いつつ、鬼頭は自分の携帯を開いた。


「診せてもらえますか?」


「ああ、これが傷口だ」


鬼頭は蒼に携帯で撮影した傷口を見せる。


「け、警部っ被害者を携帯で撮っちゃったんですか!?」


瑠璃は上司の非常識極まりない行為に驚き慌てている。