大阪万博の解決策を書くつもりで連載中のこのブログですが、
毎日毎日、次々と新しい情報というかネタ、お笑い草が報道されて、
一向に本題が進みません。
本日は、こんなニュースをキャッチしましたよ。
万博の2300億円を超えてくることが確実で、それを吉村知事が精査するそうです。
そうかあ、精査するのかあ、できるんかいな。
建築工事でゼネコンが出してきた見積を素人の施主が精査する、なんて聞いたことがないんですけどね。
普通は、設計事務所が施主の委任を受けて精査する(適正かどうか、数量や単価が合っているかどうか)のですが、大阪府はそういう万博建設に関するコストのアドバイザーを誰かに委任しているんですかね。
していなくて、吉村知事が自分でやるとなると、精査というより素人なのに強面業界の人達のやり方「なんぼか負けろや!半値八掛けにせえや!」と脅すことぐらいしかできないと思いますが、大丈夫ですかねえ。
その一方で、各国は勝手にやる気満々です。
協会は各国に対し、参加国が自前で建設する「タイプA」に代わり、協会が建設代行する「タイプX」への移行を促している。
なんと!「間に合わないから、プレハブ建売に入居してほしい。」という日本側の申し出を、各国でタコ蹴り、一蹴しました。
面白ええ!!
独自建築とデザインにこだわる!
それでこそ万博です。
ま、当然といえば当然、万博のパビリオンってそういうものですから。
それを、「タイプX」とかっているプレハブ建売にしなきゃいけなくなってる今回の開催側に問題があるのです。
チェコに続けー!!ってことで、各国はもう、思いっきり斬新かつ勝手し放題のデザインを出してくるんんでしょうねえ、恐ろしいです。
きっと、ゼネコンは手じまいの準備に入っているでしょうし、
万博協会も冷えまくっていると思いますよ。
なんでかっていうと、先日のチェコパビリオン、提案が出てきてよかったね。
相当難しいけど大丈夫?という感じだったのですが、
そのときに、イメージCGとかだけで、建物の平面図とかなかったですよね?
だから、建築としていかがなものか、私にもわからなかったんですよ。
ところが、図面を入手してしまったんです、私。
なので、吉村知事もするなり精査とやらも、私もしてみようかなと思います。
チェコ館ってこんなイメージでした。
これは、ガラスの蛇がトグロを巻いている状態なんです。
横からみたときの絵です。
で、平面図を入手しました。
ほう、1階は円形なんですね。
2階も円形で、螺旋のスロープが外に巻いていく感じです。
スプリングのような形態ですので、柱は下に落とせないのでなかなかアクロバットな建築になりそうです。
上に上がっていきますが、間取りとしては真ん中が抜けています。
チェコ館のデザイン的に画期的な点は、この螺旋のスロープが上に巻き上がっていくに応じて、幅が広がって平面的には卵型になっていくところなんです。
なので、4階では真ん中の吹き抜けの外側にスロープの吹き抜けがありますね。
で、屋上です。
これは非常に難しい構造をしていますよ。
普通の建物は、壁や柱が垂直に上部構造から下部構造に通っていますが、この建物は通りません。
なぜなら螺旋状に広がっていくからです。
そして、螺旋状の真ん中は吹き抜けているから、水平面を固める床もない。
いわば運動体のような形状をしています。
中で人が飛び跳ねると、振動がもろ伝わるビヨンビヨンしている状態ですね。
これを、建築構造的に固めていくのは画期的なことだと思います。
そういうチャレンジングな建築デザイン、それでこそ万博なのですけどね。
この螺旋構造と空間の関係を示した提案書がありました。
吹き抜けのパフォーマンスを螺旋のスロープから大勢の人が見学できるようです。
そうかあ、あの螺旋にギッシリ人が並ぶのかあ、面白い!しかし、建築構造的には至難の技でしょう、頑張れ!構造設計という感想です。
凄いなあ、流石万博だ、という印象なんですが、
断面図を見まして、うん?となりました。
なにやらSDGSな対応が描かれています。
CO2を除去するんですかね、なかなか画期的な提案と思いますが、
私が気になったのは断面で地下室がある?ということなんです。
ま、それはそれでいいんですが、地下室を活用してる?
トイレとか設備とか事務室とか入れてる?ってことなんです。
そうか、チェコ館は1階から螺旋状の吹き抜けだから、どこにも部屋がない。
だから、そういった機能スペースを地下に入れたんだ、ふーん、と一応納得すんですがね。
これが、地下室を含んだ断面図なんですが、地下に部屋があって、しかもトイレがあるってことは、どういうことかというと…、掘っています。
このブログを読んてくれてる人は知っていますよね。
大阪万博の謎ルール。
杭を打つ場合は「引き抜くこと」
そして、地下掘削は2.5メートル以内。
しかし、チェコ館は地下を思いっきり掘っている。
4メートル以上、掘っている。
つまり、これはレギュレーション違反。
チェコ館、掘り過ぎ。
しかも、地下をやめると、地上部のデザインが成り立たない。
まさかのレギュレーション違反です。
決してチェコのデザインが悪いわけでもなんでもなく、
大阪万博の謎ルール、「地下の掘削は2.5メートル以下」という異常なレギュレーションに問題があって、
それは、夢洲の埋め立て状況が、盛り土3.5メートルしかない、という異様な敷地であることが原因なんです。
なので、ソシュカ代表が言われるように、
「私たちの国には台風や地震もないです」に加え。
地下を2.5メートル以上掘るな!なんてルールも世界中にないです。
どうするんでしょうね、チェコ以外の国もスタンバっていますけど。
つづく