大阪万博どうすればいいのか?を考えるために、前々回のミラノ万博について調べてみましたところ!「食の万博」というテーマで、各国パビリオンをレストランにしろ!という企画が、大当たりだったということがわかりました。
大阪こそ「食いだおれ」というキーワードなんだから、また食の万博でいいんじゃないでしょうかね?
これが解決のキーワードの一つでもありそうです。
「大阪食い倒れ万博」

では、前回のドバイはどうだったんでしょうか?

こんな会場だったそうですね。


まず、広い敷地を奔放に切り取って計画されています。

そういえば、ドバイってどこやねん?
お金持ちがいるとこだっけ?砂漠?未来都市?
と、ドバイって聞いたことはあるが、よう知らん、という人も多いでしょう。

ドバイとは国の名前ではありません、アラブ首長国連邦の都市です。
そのアラブ首長国連邦がわからんがな、という人も多いでしょう。
中学校の社会地理とかで出てくる名です。
以降、一度もこの言葉を使わない人もいるかもしれません。
私も正直、「アラブ首長国連邦」と言葉にしたのは数十年ぶりという感じします。
 

しかし、UAEなら知ってるでしょう?
サッカーワールドカップのアジア予選で、
いつも日本の前に立ちふさがる国のひとつです。
UAEに勝たないとワールドカップに出れない!みたいにいつもなりますよね。

場所はここ



あれ?小さい。
首長国連邦っていう大袈裟な名前にしては小さい?と思いませんでしたか?
サウジアラビアの方と勘違いしていませんでした?



北海道くらいの大きさみたいです。

で、首長国連邦というぐらいですから、上記地図で黄色や緑に色分けした各首長国、
アブダビ、ドバイ、シャールジャ、アジュマーン、ウンム・アル=カイワイン、フジャイラ、ラアス・アル=ハイマの7つの首長国でつくられた連邦国家です。

まあ、北海道でいえば市が独立した単位が集まったような感じでしょうか。

じゃあ、首長国ってなんやねん?と。普通に国ではダメなのか?と。

これが、普通に国ではダメなんです。

首長国というのは、イスラム世界の君主の称号「アミール」が支配する世襲制の絶対君主制の専制国家を指します。
このアミールを、日本語で首長なんて訳したのでややこしいんですね。
英語では「エミレーツ」と訳しています。
ちなみに、エミレーツ航空はドバイの航空会社です。

首長なんて言葉をあてずに亜弥琉(あみる)とでもして、亜弥琉国連邦にすればよかったんではないでしょうか

その連邦の中のひとつがドバイ首長国です。

砂漠の中の漁村です。
 



主な産業は、真珠の採取だったそうですが、
日本のミキモトの創業者御木本幸吉が真珠の養殖に成功したことで、ドバイの産業がなくなりました。(ミキモトの真珠物語は非常に面白いのでまた後日にご紹介します)

近代に入り、中継貿易の充実と1966年の海底油田の発見により大発展を遂げました。
こんな貿易港を抱えています。


ジュベル・アリ・フリーゾーンと呼ばれる貿易港

さらに、外国資本や多国籍企業の進出により、貿易、経済、金融の中心地となり、1970年代から1990年代でGDPは30倍に膨れあがり大発展を遂げました。



1960年代に石油を発見したとはいえ、なんでドバイだけがこんなに急速に発展できたのでしょうか?
他のアラブ諸国イスラム諸国は、近代にはいってから石油があっても国境紛争や内戦や戦争を延々と続け疲弊し続けていましたよね。

ひとつには、石油で得た収益を投資した。その投資をインフラに集中させたということがあります。もう土木工事に貿易港の充実につっこんだ。
そのうえで、フリートレードゾーン自由貿易港を設けた、通関や関税や法人税の優遇等です。シンガポールや、かつての香港のようにした。
1980年代には、ほぼまったく存在しなかった外国企業が20年のうちに2000社も集まってきました。

そりゃそうでしょう、税金を取られないから。
そして、ドバイには3大特典があります。(ほかにもあるんですが)
①100%の外国資本の会社を認めている。
②法人税・所得税が50年間無税。
③輸出入税がない。送金も自由。


つまり、実際に貿易ができるための港湾というインフラと、
企業なら、どうしてもそこを経由したくなるという制度の二本立てです。
非常に単純にいえば

A国→ドバイ(無税・所得無税・法人税無税)→B国

ということなので、
中継のドバイに資金を置いておきたくなるし、本店を置きたくなるし、住所も置きたくなる。

だから、ドバイに家を買いたくなる、事務所を借りたくなる、ドバイで通販したくなる、ドバイからユーチューバーになりたくなる、そこそこ儲けたらドバイへゴー、というのも無理からぬ話といえます。

これ、もし仮に個人でも中小企業でもいいんですが、税金を払わなくていいなんて人がいたとしたなら、みんなそこにいったんなんでも支払って金置いておくとか、領収書くれくれ、とかなりますよね。

そういうカラクリなんですね。

なにもなかった砂漠に最初の種銭のオイルマネーで無駄遣いせず、国際金融やグローバル企業などの経済環境に、自国の税制度だけで巨万の富と人を集めている手法です。

もはや、夢洲IRとかちっちゃ過ぎる話なんですよ。

そういう都市で開催されてのがドバイ万博です。

どんな万博だったのでしょうか。