新国立競技場問題に取り組む皆様こんばんわ
「潮目が変わる」という言葉があります。
情勢が変化するその境目のことを指しますが、なにやらそのような気配。

とうとう、本当の切所という感じになってきましたね。

7月7日の有識者会議というのがそうでしたが、「2520億円承認」と一方的に流したことでかえって、この問題の異常性に多くの国民が、とうとう気付いた感があります。

で、連日の報道でもめまぐるしく変わっています。

さて、そのようなときには時系列でおさらいしておくべきでしょう。


この1週間の主だった報道を列挙してみます。
これ以外にもいっぱいあるのですが、主にこの計画に携わった方々や、現在の政府の言説に絞ってみても、たくさんあって、いまや新国立競技場問題は、国民的話題となったことがよくわかります。

と、同時に連日コロコロと変わるその内容と同時に、それぞれの立場での思惑が入り乱れるものとなっており、この問題が今絶賛交戦中ということもみて取れるでしょう。

後ほど最整理しますが、

7月6日からスタートします。



新国立競技場の費用負担 国と都が会談へ 7日有識者会議[ 2015年7月7日 05:30 ]
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2015/07/07/kiji/K20150707010685120.html


遠藤利明五輪相は20年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場について、
今週中に東京都の舛添要一知事と会談する意向を明かした。 7日に事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が有識者会議を開き、総整備費の細かな内訳を示す。舛添知事は、下村博文文部科学相から示された新国立整備費の負担について反発。遠藤五輪相は都との調整役を担っており、「そう遠くない時期に(舛添知事と)会えるんじゃないか」と話した。


新国立「見直しを」8割…「真摯に受け止める」
2015年07月07日 11時30分


http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/20150707-OYT1T50088.html新国立競技場の建設を巡り、下村文部科学相は7日の閣議後記者会見で、読売新聞社の全国世論調査に対し、計画を「見直すべきだ」と答えた人が8割に達したことについて、「報道は承知している。真摯しんしに受け止めたい」と述べた。


後藤田議員新案 新国立は五輪後サッカー野球2分割
[2015年7月7日9時46分
http://www.nikkansports.com/general/news/1503127.html


2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の建設問題について前内閣府副大臣で自民党の後藤田正純衆院議員(45)が6日、都内で日刊スポーツのインタビューに応じ、現計画を見直し、新国立を五輪後に野球場とサッカー場に分割する新計画案を語った。 「民間プロチームが使用すれば年間100億円は稼ぐ」。整備費が約2520億円に膨れあがった現行案で推し進める与党内から反対の声が上がった。「後藤田案」は約950億円で整備できるとし、設備を簡素化することで約1500億円削減できるという。 「使用するチームを入札する。巨人でもヤクルトでもいい。新球団ができたっていい。新国立は一等地。どこがやったって回収できる」。8万人のスタジアムを五輪後に改修し5万5000人にする。縮小部分を曳家(ひきや)の技術でずらし、新秩父宮スタジアムに再利用する。こちらもJリーグチームを募ってラグビーにも使用する案だ。


新国立競技場改築費 2520億円で決定 7月7日 17時39分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150707/k10010142211000.html
020年東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場について、運営するJSC=日本スポーツ振興センターが開いた有識者による会議で、改築費は斬新なデザインにこだわるなどした結果、当初よりも900億円多い2520億円になることが決まりました。膨大な建設費に批判が集まるなか、5年後に向けた計画が進められることになりました。都内で開かれた有識者会議にはメンバー12人が出席しましたが、最初のデザイン案を決めた、審査委員会の委員長で建築家の安藤忠雄氏は欠席しました。遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣は、記者団に対し、「建物の特殊性という意味で『費用が高い』と言われれば確かに高いと思うが、ある程度はやむをえない。後ろ向きではなく逆にPRして世界に発信していくという思いで造ったほうがよい」と述べました。
新国立競技場:森氏「価格、圧縮され妥当」 舛添知事「国の責任で」…有識者会議での委員の発言要旨2015年07月07日
東京都内で7日にあった「国立競技場将来構想有識者会議」での委員の発言要旨は次の通り

 ▽森喜朗・東京五輪・パラリンピック組織委員会会長


 (新国立競技場が)ラグビーのワールドカップ(W杯)と五輪だけを対象にしたもののとらえ方をしている人が多い。私は、老朽化した国立競技場を、いつもまでも放っておくのか、という考えだ。「建て直そう」というのが我々、自民党の文教政策を担ってきたものとしては政策課題だった。
 いつかは建て直さないと、危険なものを残しておくことはできない。何かのきっかけが必要だろうと私も思っていた。たまたまラグビーW杯の日本開催が決まった。
 ラグビーW杯(の主会場)はサッカーと同じように(観客席数)8万人が条件。これを満たすスタジアムを造るということから始まった。当時は民主党政権だったので、(元参議院議長の)西岡武夫さんが、教育政策をずっと担当してこられた方の責任として「私が会長となって議員連盟をつくろう」と、国立改築のために汗を流そうと言われたのがそもそものスタートだった。
 その後に五輪・パラリンピック開催が決まった。これが追い風になって、両方とも政府がバックアップしていこうとなった。スポーツ団体で、ことを進めたわけでもなんでもない。これは五輪、ラグビーW杯のためだけで造るということだけの価値観なら、(建設費用が)高いのか低いのかという議論になる。そうではなくて、これからの日本のスポーツの聖地として、さらに五輪が終わっても50年、60年、70年と、これを象徴的なものとして存在できる(施設を)ということが願いでもあった。
 (建設に要する)価格がここまで圧縮されたということは、さまざまな意見があったからだが、極めて妥当なところだ。価値判断を五輪・ラグビーだけでとらえては造る意味がない。2019年はプレ五輪年でもあり、五輪の全競技(のテスト大会)を前の年にやる。「プレ五輪大会実施のために急がないといけない」という大事な視点を忘れた論陣は極めて遺憾と思っている。「サヨナラ国立競技場」のイベントには日本中から人が集まった。ラグビーとサッカーのメモリアルの試合をやったときも、国立競技場に対していろんな思い出を持った人が現れた。国立はスポーツマンにとって、国民にとっていかに大事なものかを改めて知った。その場所に次の競技場を造るということを、誇りを持ってやらないといけない。
 前からスポーツ政策をやってきた人は、(国立競技場について)ずっと心配してきた。2016年五輪の招致に手を挙げた時は、晴海に東京都と国が協力してスタジアムを造るといわれた。びっくりした。「国立競技場は忘れたのかな」と。当時の(招致活動に携わった)人たちは、「国立競技場はサッカーとラグビーに使ってください」と言っていた。結果として(晴海への新競技場計画は)風の強いところでは使えないとなり、今の国立を改築しようとなった。プロセスがあったということをご理解していただきたい。

 ▽舛添要一・東京都知事


 6月29日の調整会議で下村(博文)大臣が説明された新国立競技場の整備方針が決まったと思う。詳細はご説明いただくということだった。私は建築家でも会計士でもない。専門的な点は判断するのは不可能に近いと思っている。一方で、常に申し上げているように2020年五輪・パラリンピックの開催都市の知事としては、とにかく2019年ラグビーW杯、20年大会に絶対に間に合わせてほしい。しかるべきものをきちっと造っていただきたい。これは国立ですから、国の責任でしっかりやるということなので、具体的には文科省とJSCの責任において、間に合う、しかるべきものを完成させていただくということを重ねてお願いする。


 ▽笠浩史衆院議員(20年東京五輪・パラリンピック推進議連幹事長)

 昨年5月に基本設計を発表して約1年2カ月たった。基本構想の時に1300億円程度で、いろんなものを積み上げていくと3000億円くらいかかるという予算になった。3000億はあまりにも予算が大きいとなり、基本設計の1625億円になったと思う。デザインのよしあしは専門家ではないので、専門家同士の議論で、国民の理解を得ていく努力を引き続きしてほしい。ただ、1625億円の基本設計から、今回2520億円に膨らんだことがいろいろな批判を招いている大きな要因と思う。しかも五輪・パラリンピック後に先送りした分を含めると3000億円近い予算がかかるかもしれない。なぜそうなるのかという説明が、かなり足りないのではないか。「多くの国民の支持を得て」と言ってますので、あらゆる努力していかなくてはいけないと思う。本当に工期は大丈夫か、この予算がもっと膨らむのではないか、財源をしっかりと、国として責任を持って都と一丸となって確保していけるか。「見切り発車」ではないかという批判もあろうかと思う。実施設計段階も消費税8%で計算しているが、17年4月には10%になることが決まっている。「また膨らむのではないか」という不信感を招かないような、今後も丁寧な説明をしてほしい。

▽馳浩衆院議員(大会推進議連事務局長)

 招致段階から関わってきて、外交問題として各国のIOC委員に説明してきた。構想がまとまったことと、これで工期を間に合わせるということでの皆様の合意を得たうえで、申し上げたいことが一つある。私は柔道も好きだが「合わせて一本」ということがある。渋谷区と新宿区と港区と神宮外苑一体で考えていかなくてはいけない。新国立競技場のことだけでなく、国立競技場を中核として使っていかないといけないし、ここにスポーツレガシー(遺産)を残していかなくてはいけない。にぎわいとともに儲けていく発想を加えていかない。パラリンピックの構想もある。このエリア一帯をスポーツレガシーの特区構想として一体的に整備して活用していくことを視野に入れた、本来的な有識者の考え方が必要だと思う。舛添さんにも都として招致を提案したので、このエリア一体を特区にして金融的支援も、民間の参入も、規制の緩和も、税制上の優遇も、まさしく「合わせて一本」。一体のにぎわいとスポーツ文化のレガシーになっていくんだという中で、私はそういう言い方をした。スポーツ特区構想を、ここを軸に世界に発信していく。私たちも招致の段階でそのことを世界の関係者に説明したり、会議の中で発言したりしてきた。今、新国立競技場の構想をご説明いただいて、がんばろうというだけで今日の会議で終わらせては困る。今後の新国立競技場を中心とした展開を国が責任持つのは当たり前だが、国家戦略特区構想は自治体からの提案となっているので、舛添知事も「スポーツクラスター構想」をおっしゃっておられるし、(国立競技場の)地元の渋谷区、新宿区、港区の皆さん方、パラリンピック関係者の皆様方、アクセシビリティというのはまさしくユニバーサルデザインが必要であるし、都市計画法上のもっと商業施設であったり、福祉施設があればもっと賑わいをもっていけるかもしれない。合わせ技を積み重ねながら、これは文科省にも申し上げたいが、もともと「多様な財源を確保してやる」となっているので、多様な財源をみんなで確保していこうということを、しっかり根回しをして確保していく意思を示さないと。我々は世界に発信してきたので。よりよいものにしていくために汗をかいてほしい。特区構想は遠藤大臣も招致段階からかかわってきて経緯も知っているのだから、こういうときこそ舛添知事を支えて、国も税制上の支援、財政もしっかりやるよと。規制緩和もやる、民間事業者を回していける方向性を導いてほしい。価値のある事業と思っているので遠藤大臣はそういう汗かきもお願いしたい。こんなものはみんなでスクラムを組まないとできないですからよろしくお願いします。
 鈴木秀典・日本アンチ・ドーピング機構会長
 私からは1点申し上げる。ドーピング検査が競技会で行われる。それはただ検査を行うだけでなく、どうやってアスリート(選手)を導いて、そこからお出しするか。そういう個人のプライバシーにかかわることがある。前回の国立競技場(の建設時)にはなかった発想の設備を考えてもらえるよう、変更にともなってこういうものが変わらないようにお願い申し上げる。
 横川浩・日本陸上競技連盟会長
 「いくらなんでも(建設計画を)決めましょう」ということだと思う。速やかに建設に着手しましょう。大変大きな空き地になった旧国立の後を眺めていると、そこに建てるべき新しい国立競技場の構想がなかなか固まらないのは、なんとも悲しい。そして「五輪レガシー」として、この新国立競技場を長期にわたって、広範に活用していく夢を具体的に語っていこうではないか。(今は)そういったタイミングだと思う。

 鳥原光憲・日本障害者スポーツ協会会長

 新国立競技場は(20年五輪・パラリンピック)招致の決定において、極めて重要な要素だったと思う。これは施設面、ソフト面含めての話で、特にパラリンピック関係の世界の中でも、この競技場に対する期待は大きかった。これは東京招致の決定の極めて重要な要素だったと思う。説明を改めてうかがい日本の技術力、先進性、スポーツ文化に対する国としての考え方を象徴するような、そういう世界に誇る施設として十分価値のあるものだと。これは定量的にカウントできる価値だけでなく、それ以外の非常に大きな価値を持ったものだと思う。競技場の本体、および周辺において、アクセシビリティが高レベルに保たれている。この点は非常に貴重なことで、これが観客席なりエレベーターなりアプローチなりトイレなり、あらゆるところに考慮されてそれが従来の競技場と比べてスペースが大きくなっている理由の一つになっていると思う。競技場も周辺も含めて世界に誇れるエリアだということを前向きに訴えていくことは大事だと思う。前向きな発信として説明があったような工事内容の説明等を丁寧にやって国民の理解を広げていきたい。

 竹田恒和・日本オリンピック委員会会長

 多くの競技場施設の中で目玉であり、招致のシンボルでもあったメーンスタジアム。この実現は重要であると思う。この公約を守るということは重要だし、IOCメンバーもこのすばらしいメーンスタジアムのデザインをみたときに「東京に(投票しよう)」というように思った方も多くいたと思う。特に安倍(晋三)総理がブエノスアイレスで、全IOC委員の前で、「このデザインのメーンスタジアムを建設します」といった言葉は非常に重いと思う。IOCのバッハ会長はメーンスタジアムに関しては、ナショナルプロジェクトなので日本側でよく検討して決めるようにといっていた。しかし、ソチ五輪では5兆円というナショナルプロジェクトを含めても膨大なお金がかかり、これがその後のIOCの大きな問題となった。そういう意味で、IOCの考え方からすると、メーンスタジアムの現在のコストも決して満足できるものでないということは我々も認識しなくてはいけない。しかしながら、ここにきて工期を考えるとほかに方法がないとうかがっているし、事実であればこの方法でなんとか成功させてほしい。私は専門家でないのでよくわからないが、うかがいたいのは、この(天井部分の)キールアーチが新しい工法でリスクもあり、大きなチャレンジであると聞いている。実際に技術的に問題なく、そして工期に必ず間に合うのかが非常に重要だ。森元総理もおっしゃっていたが、ラグビー(W杯)に間に合えばいいということだけでなく、1年前のプレ大会は必ず開催しなくてはいけないので、2019年にはこれが完成していることが非常に重要だ。それと、やはりなんと言っても立派な施設をつくって大会を成功させて、そして日本のスポーツの聖地としてすばらしいレガシーが残るということが最も重要だと思うし期待している。

 張富士夫・日本体育協会会長

 日本体育協会は、山で例えると「ふもと」の部分でスポーツを支えるということをやろうとしている。ここにきて我が国全体でスポーツを盛り上げる動きが出てきている。スポーツ庁もでき、(五輪担当)大臣にもご就任いただいた。また私どもも障害者スポーツもやっている。これからますます平和立国を支えるものと思う。私自身、(1964年の東京)五輪のときは30歳前だったが、あれから日本がこの50年で、経済もスポーツもすばらしく発展した。それを考えると50年単位ぐらいでものを見なくてはいけない。これは2020年も大事だが、(新国立競技場は)そこから先の50年、日本の国のスポーツを支える象徴だと強く思っている。確かに今は「(建設費用が)高いか安いか」という話はあるかもしれないが、無駄は省くとしても大事な所はきちっとやっておかないとと強く思っている。日本武道館であった世界剣道大会には56カ国から選手がきたが「日本の武道館でやれるということはあこがれ」という方がたくさんいた。国立競技場ができたらあこがれになると思っている。

 都倉俊一・日本音楽著作権協会会長

 今、日本武道館は黒字の体質。補助金も受けていないし、8割以上は文化活動ということで「武道の聖地」であるとともに、1966年にビートルズが来たのをきっかけに、世界のアーティストのあこがれの場になっていることも事実。我々の仕事は五輪・パラリンピック大会後の活用を考えるということ。神宮の森発、東京発のスポーツのみならず、(新国立競技場を)文化芸術の情報発信の基地とする趣旨であり、協力を申し上げたい。
 国立競技場の採算は非常に安く見積もられていると思う。この2年間で文化芸術部会で、現場で文化イベントコンサートを主催している多くの人からヒアリングしてきた。現在3~5万人規模の競技場の需要は、供給不足状態である。一般社団法人のコンサートプロモーターズ協会というのがあるが、2013年度にはコンサートの動員数が3000万人超えた。14年度には4000万人を超えた。のべだが日本の人口の3人に1人が、コンサートに行っているという実態。「なでしこジャパン」(サッカー女子日本代表チーム)を見ていてもわかるが、サッカーを観戦するとしても自宅待機型は減り、積極参加型になっている。大きなスクリーンで応援したい。コンサートもしかり。大規模アリーナではコンサートが供給不足だといわれるが、首都圏だけでも3年間で年平均で300万人ぐらいの動員をしている。JSCの収支見込みをみてあまりにも控えめすぎるのでびっくりした。
 最初参加したときに(新国立競技場の工費は)1300億円とおっしゃっていたが、これが2500億円になったのでびっくりはしている。だが、その前提が屋根があるかないかとなると、新国立の採算が絶対的に合わなくなってくるのははっきりしている。要するに屋根がないことでたとえばプロモーターが長期的な契約、特に大物アーティストと契約するときに、天候が左右する長期契約はできない。季節的な要因で真冬に屋根のないコンサートは不可能なので4カ月ぐらいは使えない。我々の試算では、屋根があることがマストである。屋根があることによって現在のマーケティングをやった結果、赤字の垂れ流しなんてとんでもない。建設費の回収も可能と考えている。国立競技場は日本の新しいシンボルと同時に、世界のアーチストが憧れる有数のコンサート会場になることは明らかだと思っている。この五輪を契機に、(全面屋根付きの競技場を造って)日本が世界の先駆けになるということがあってもいいのではないか。将来的な採算のためにも、レガシーのためにも、作るなら中途半端でないものを作ってほしいと願うばかりだ。

 小倉純二・日本サッカー協会名誉会長

 1点目は、この有識者会議でザハ・ハディドさん設計の「収容人員8万人、開閉式屋根、可動式の新しい国立競技場」と決めて、五輪の主会場として招致活動を進めた。アルゼンチン(でのIOC総会)で安倍晋三総理の力強いスピーチがあって、2020年東京五輪・パラリンピック開催が決まった。そのときの招致ファイルに「8万人」と「屋根」が入っていた。そういう意味では安倍総理が話したことは国際公約だと思う。今回の新しい案は、屋根が先延ばしでは国際公約が守られているのかどうかをきちんとすべきだと思う。今月にIOC理事会があると聞いているが、そこでの説明が必要だと思う。その点、安倍総理の話と今回の新しい計画が国際公約に合っているかどうかをきちんと説明していただきたい。
 2点目は、今回の案でサッカー協会も、この有識者会議の決定に従って、IOC委員であるサッカーの関係者に、そのデザインを含めて「(観客席)8万人」「開閉式の屋根」「臨場感あふれたスタジアムということで可動式の客席」の3原則を示して、「サッカーのW杯のメーンスタジアムとしても使える」と言って(サッカーW杯の)招致活動もした。「東京五輪を支持してくれれば、W杯もやれます」と活動した。間違いなくその関係者の方は、東京に投票してくれたんだと思う。そういう意味では約束をしている。ただし、今の計画だと可動式の椅子が仮設ということになっている。仮設では男子のサッカーW杯の開催規定に違反する。常設でないと成り立たない。ですから、このままではサッカーW杯の招致ができない。新しいスタジアムを使ってはできないということなので、急がないのでラグビーのW杯が終わって、五輪が終わってからでもいいので仮設となっているところを、可動席椅子を常設にしていただくということを確約していただきたい。そうでないと、この案に反対せざるをえない状況だと思う。
 男子のサッカーW杯で、アジアの国が(開催に)手を挙げられるのは2030年以降だが、女子のW杯は手を挙げられる。23年に女子のW杯を、この国立競技場を使ってやりたいと考えている。うまく使えるように、可動式椅子を含めて検討してもらいたい。ここの開閉式の屋根がない限り、新国立競技場は永久に経営は赤字だとはっきりしている。五輪が終わったら、早く開閉式屋根をつけてもらい、可動式の椅子を常設にすることを守ってほしい。これが私がお願いしたい条件で、さもなくば反対せざるを得ない。
 都知事にもご理解いただきたいが、もしも東京で直下型地震があったときには帰宅困難者がたくさんでる。これを守るのが国立競技場だと、有識者会議ではこれまでも検討してきた。ですから、屋根があって部屋があって備蓄の食事ができるということであれば、少なくともこの近辺で10万人以上の方を保護できると思う。ここを拠点として使ってほしい。
 下村文科大臣が(財源の一部に)寄付という話もしたが、有識者会議でも寄付の話はでている。一般の方で、寄付したい方はいる。その方のためにも寄付しやすい仕組み、「ふるさと納税」のようなやり方もあるし、プレートを作って(寄付者の)名前を書くということで、寄付してもいいと考える人はいっぱいいる。そういう仕組みを作っていただきたい。質問した2点の国際公約に反していないかということと、可動式の椅子が常設なるかを回答してほしい。

7月7日まで