機動戦士ガンダムは、
地球の周りに形成された「サイド」と呼ばれるスペースコロニー宇宙植民都市と月と地球という、地上と近接宇宙空間を舞台としています。

その「サイド」には地面もあり森もあるそこに建物が建って人々が生活する街もあるわけです。
アムロたちが住んでいたサイド7は直径6.4キロメートル、長さ35キロメートルの円筒形をしており、この円筒の内側に地面がありますが、
回転することで擬似的な重力を生み出しています。
建築エコノミスト 森山のブログ
約2分弱で回転すると、
地球上と同じ1Gが6.4キロの円筒の内側に発生するようです。

機動戦士ガンダム登場のスペースコロニーは、
米国プリンストン大学の宇宙物理学者ジェラード・オニール博士が提案した
「シリンダー型」と呼ばれるものです。
建築エコノミスト 森山のブログ

ガンダムオープニングでは、サイド7内部を空撮した映像が出てきますが、
まさにオニール博士の構想そのまま実現、という感じですね。
円筒を6つに縦割りして、人々が生活する地面のところと、
太陽光を取り入れる透明部分に、半分半分されています。

建築エコノミスト 森山のブログ

緑があって丘があって、道があって町があります。

機動戦士ガンダムの第1話のオープニングエピソードでは、

ここにザクが進入してくる


建築エコノミスト 森山のブログ

この作品ののっけから凄いところは、
ここで、
まったくせりふのない無音のシーンが2分間ほど続くんですよ。

外部からザクがハッチを開いてコロニー内部に侵入し、
驚いた鳥が森の中から飛び立つまで無音、これが非常に緊張感を高め
見ているこっちが一緒に忍び込んでいるような感じです。
と、同時にスペースコロニーがどういうものであるかを説明無しで分からせる。

直径が6.4キロメートルというとどういうものかというと、こんな感じですが、
建築エコノミスト 森山のブログ

よくわからないと思いましたので比較のための右下に新宿副都心を入れてみると

建築エコノミスト 森山のブログ

意外と大きいです。
なるほど、これならかなりの人口が収容できそうです。

ところがですね。

他に何か実在する建物をサイド7の中に置いてみようかと考えていたところ
あることに気付いたんですよ。

このなにげなく見逃しがちのオープニングなのですが、
オニール博士の構想したスペースコロニーには存在していないアイテムがある。

それはですね、橋の存在です。

建築エコノミスト 森山のブログ

まあ、プレート間どうしで人も物も連絡するわけだし当然道路も必要なはず。
しかも宇宙なんだから、割と簡単に、、、と思ったんですが、

建築エコノミスト 森山のブログ

地上面には遠心力による擬似重力1Gがかけてありましたよね。
ということは、この橋は無重力の宇宙に漂っているんではなく、
地上と同じ条件の構造物。

だから、宇宙の橋ではない。 地上の橋。

とすると、この橋のスパンでか過ぎないか!?

確か、世界最長スパンの明石海峡大橋で1.991キロメートル

建築エコノミスト 森山のブログ

先程の図にも書いたように、円筒が縦に6分割され、
3つのプレートに分かれて居住区が存在しているのだから、
この隙間の巾は、直径×円周率3.14÷6=3.349キロメートルです。



「サイド7大橋」は、
この明石海峡大橋の1.5倍必要なわけですよ。


つづく