最近のデザイナー住宅を見ていますと、建物の色が白、グレー、黒のどれかしかない。
ということに気づきました。
さっそく、デザイン系の住宅雑誌で調べたところここ数年間の設計事務所案件で約300件ほどの中で白、黒、グレー以外の基調色の案件は30件ほどでした。

つまり90%が白か黒かグレーの彩色になっている。
素材は板金、塗り壁、パネル、コンクリートの違いこそあれ
しかものっぺりとした全体を白か黒かグレー1色にまとめている。

なぜなんでしょうかねえ。
たとえば昔の伝統的な町並みを意識した白壁に黒い柱に瓦調といったモノトーンの組み合わせではなく、四角な箱を真っ白か真っ黒かコンクリートグレーかでパッケージングといった風潮です。

そうしないとデザイナーじゃない、デザイナーと見てもらえない、そんな強迫観念のようなものが建築家の意識に浸透しているのが読み取れます。
店舗デザインで白、黒、グレーにまとめるというのが流行ったのは、もう15年以上も前ですから、かなり流行にも遅れていますよね。

最近はスタバの影響もあって、ブリティッシュグリーンに紫とか赤に黄土色とか結構微妙な色合いもうまく活かした店舗が多いですよね。

一方、じゃあ派手な色を塗ればいいのかというと、マコトちゃんハウスのように、やはり住宅地においてはちょっと難ありかもしれませんよね。

でも緑の中では意外とそんな色が似合う、風景の中でスパイス的に効いて楽しげな印象を出してくれるものです。
アメリカの建築家で、ターナー・ブルックスという人がいます。
日本ではほとんど紹介されていないのですが、非常にローコストな家にもかかわらず、とても豊かで楽しげな家を建てている人です。
伝統工法やこだわり素材に対してうんぬん言っている私ですが、一方限られた予算で素朴な粗末な材料でもデザイナー住宅として非常に完成度の高い設計をするターナー・ブルックスのファンでもあるのです。

この方は要チェックなのでちょっとご紹介しておきましょう。