こんにちは「建築界の蘭陵王」こと建築エコノミストの森山です。
夏ですね
古い木造住宅の耐震リフォームについての相談がありました。
中古住宅を買おうとする方々からよく聞かれることに、築30年以上なんですが大丈夫でしょうか?とか
築10年くらいだといいですかね?とか鉄筋だから、鉄骨だから大丈夫でしょうか?というものがあります。
まあ、建物状況を考えるのに、経過時間と使用部材というふたつの指標から判断しようというわけです。
こんなときにはこう答えています。
「建物が大丈夫かどうかは、築年数や構造部材からは判断できません」
ええ~っ、だって保険やローンだって構造によって価値担保期間を決めてるじゃないですか?木造よりも鉄筋の方が長いに決まってるし、、とお考えになる方も多いでしょう。
でも、それは統計的判断
多くの顧客を抱える金融機関、保険会社などの企業が統計的判断をするのは自明
しかし1回こっきりの普通の施主さんは統計的レアケースにぶち当たったら即死ですよ、評論家になったらダメ。
マンションなどの大型物件は大体鉄筋コンクリートですから比較することはできないにしても、戸建の場合でしたら木造、鉄骨、鉄筋だから、とか築年数という数値のみからだけでは、建物診断はできないのですよ
個別に丁寧に見るしかない。
鉄筋建物といっても同潤会アパートの記事でも書きましたが、100年以上経過して残っている鉄筋コンクリート建物ってほとんどないんです。
中古住宅の場合、新築時の構造図面がキチンと残っているならともかく、内部の構造状態(鉄筋がきっちりはいっているか、コンクリートはきっちり打ってあるか)をレントゲンみたいにパパッと調べることは困難なんですね
専門家を呼んで費用をかけてそれなりに調べる必要があります。なので公共物件や大規模物件でないと採算が合わない、だからこの小規模鉄筋コンクリート物件の調査業務というのは業者が少ないんです。
木造住宅なら表面をはがせばある程度判断しやすいという面があります。また構造補強も見えやすい、なぜなら柱や梁が現しになるからです。
わたくしが調査依頼とリフォーム監修をおこなった案件をご紹介しておきます。
中古物件を調査する場合
まず、建物外観を目視 → 壁のコーナーや窓のコーナー、基礎と壁の取り合いなどを注視します。
そこにはたいがいゴムみたいなものが塗ったくってあると思うのですが、これは通称「シール」といって隙間
を埋めるものです。この素材はここ数十年でどんどん進化していて、ここの素材がどのようなものかによっ
て経過状態などがある程度予測できます。また隙間の口が開いている場合は建物が傾いている可能性。
つぎに、窓の大きさと位置を確認 → 平面的にバランスよく配置されているかどうかを見ます。
昔の家の一般的な平面構成だと南面になるべく広く掃き出し窓を設けていることが多く、南と北面で壁のバ
ランスが悪い建物が多いのです。これだと地震時に壁強度に偏りが出てしまうのです。
つぎに、二階と一階の壁位置と柱位置を確認 → 同じ位置で下から上まで通っていれば有利です。
上下がずれている場合、構造的な力の流れがズレて意味のない柱や壁になってしまうケースがあります。
ずれているとテコの原理で梁にも負担をかけてしまう可能性があるのです。
つぎが、お風呂の土台まわり → 基礎などの状態もわかりやすいところですね
基礎の形状や方式がどのようになっているか、またカビの発生状況によって湿気やシロアリなどの影響を受
けていないか、の判断材料になります。
ま、そんなところです。
外壁の汚れや、塗装のはがれ、仕上げ材のヒビ割れなどはどうでもいいんですよ
それはお化粧ですから、、ところが販売する側は素人さんが気にするこの外観を安易に塗り替えて販売しようとしますから注意が必要です。内部もそうです。外壁の塗り替えや内部のクロス替えなどというのは、工事費でいえば一番安い部分なんですよ。でも素人向けに売りつけるには一番効果のある戦法とお考えください。
外壁が最近塗り替えてあったら買うの辞める!くらいの気概でいきましょう。
また売主側になっている一般オーナーは販売代行の会社が塗り替えましょう、張替えましょう、と言われてもあっさりOKしないで、それよりも専門家の調査書類を付けたいです!と調査書の作成にお金をつかうほうがいいですよ
構造部分を補強し、ついでに断熱材も換装して快適になりました。そこから仕上げに凝りました
夏ですね
古い木造住宅の耐震リフォームについての相談がありました。
中古住宅を買おうとする方々からよく聞かれることに、築30年以上なんですが大丈夫でしょうか?とか
築10年くらいだといいですかね?とか鉄筋だから、鉄骨だから大丈夫でしょうか?というものがあります。
まあ、建物状況を考えるのに、経過時間と使用部材というふたつの指標から判断しようというわけです。
こんなときにはこう答えています。
「建物が大丈夫かどうかは、築年数や構造部材からは判断できません」
ええ~っ、だって保険やローンだって構造によって価値担保期間を決めてるじゃないですか?木造よりも鉄筋の方が長いに決まってるし、、とお考えになる方も多いでしょう。
でも、それは統計的判断
多くの顧客を抱える金融機関、保険会社などの企業が統計的判断をするのは自明
しかし1回こっきりの普通の施主さんは統計的レアケースにぶち当たったら即死ですよ、評論家になったらダメ。
マンションなどの大型物件は大体鉄筋コンクリートですから比較することはできないにしても、戸建の場合でしたら木造、鉄骨、鉄筋だから、とか築年数という数値のみからだけでは、建物診断はできないのですよ
個別に丁寧に見るしかない。
鉄筋建物といっても同潤会アパートの記事でも書きましたが、100年以上経過して残っている鉄筋コンクリート建物ってほとんどないんです。
中古住宅の場合、新築時の構造図面がキチンと残っているならともかく、内部の構造状態(鉄筋がきっちりはいっているか、コンクリートはきっちり打ってあるか)をレントゲンみたいにパパッと調べることは困難なんですね
専門家を呼んで費用をかけてそれなりに調べる必要があります。なので公共物件や大規模物件でないと採算が合わない、だからこの小規模鉄筋コンクリート物件の調査業務というのは業者が少ないんです。
木造住宅なら表面をはがせばある程度判断しやすいという面があります。また構造補強も見えやすい、なぜなら柱や梁が現しになるからです。
わたくしが調査依頼とリフォーム監修をおこなった案件をご紹介しておきます。
中古物件を調査する場合
まず、建物外観を目視 → 壁のコーナーや窓のコーナー、基礎と壁の取り合いなどを注視します。
そこにはたいがいゴムみたいなものが塗ったくってあると思うのですが、これは通称「シール」といって隙間
を埋めるものです。この素材はここ数十年でどんどん進化していて、ここの素材がどのようなものかによっ
て経過状態などがある程度予測できます。また隙間の口が開いている場合は建物が傾いている可能性。
つぎに、窓の大きさと位置を確認 → 平面的にバランスよく配置されているかどうかを見ます。
昔の家の一般的な平面構成だと南面になるべく広く掃き出し窓を設けていることが多く、南と北面で壁のバ
ランスが悪い建物が多いのです。これだと地震時に壁強度に偏りが出てしまうのです。
つぎに、二階と一階の壁位置と柱位置を確認 → 同じ位置で下から上まで通っていれば有利です。
上下がずれている場合、構造的な力の流れがズレて意味のない柱や壁になってしまうケースがあります。
ずれているとテコの原理で梁にも負担をかけてしまう可能性があるのです。
つぎが、お風呂の土台まわり → 基礎などの状態もわかりやすいところですね
基礎の形状や方式がどのようになっているか、またカビの発生状況によって湿気やシロアリなどの影響を受
けていないか、の判断材料になります。
ま、そんなところです。
外壁の汚れや、塗装のはがれ、仕上げ材のヒビ割れなどはどうでもいいんですよ
それはお化粧ですから、、ところが販売する側は素人さんが気にするこの外観を安易に塗り替えて販売しようとしますから注意が必要です。内部もそうです。外壁の塗り替えや内部のクロス替えなどというのは、工事費でいえば一番安い部分なんですよ。でも素人向けに売りつけるには一番効果のある戦法とお考えください。
外壁が最近塗り替えてあったら買うの辞める!くらいの気概でいきましょう。
また売主側になっている一般オーナーは販売代行の会社が塗り替えましょう、張替えましょう、と言われてもあっさりOKしないで、それよりも専門家の調査書類を付けたいです!と調査書の作成にお金をつかうほうがいいですよ
構造部分を補強し、ついでに断熱材も換装して快適になりました。そこから仕上げに凝りました