やっぱり君が好き(55) | mori--coのブログ

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高校生カップルの10年越しの恋愛ストーリー
26歳になった2人の運命は・・・?

毎週日曜・木曜日更新予定

センターを出てから数ヶ月。アンナは前の会社の先輩達が立ち上げた食品関係の会社で働いていた。

お局だった小杉さんは、当時の嫌みが無くなり優しくなっていた。

先輩の橋田さんは、変わらず信頼できる。

空気みたいな存在の野田さん。少しだけ存在感が出てきたが、やっぱり空気みたいな存在。

だけど、この会社を立ち上げようと言い出したのは『野田さん』だ。

アンナの帰れる場所を作ってあげたいって小杉さんに相談していた。はじめは乗り気では無かったが、普段自分の意見を言わない野田さんの勢いに負けて協力することに。橋田さんは即答で協力することに。

アンナの夢だった家族みんなが楽しく食事が出来る食品を作りたい。なるべく添加物を使わず、アレルギー対応も対応できる食材キットを作りたい。と入社当時から言っていた。その夢を叶えるために3人は働きながら、会社の立ち上げ準備をしていた。アンナが施設を出る半年前にできあがった。

小杉さんと野田さんは引き継ぎの関係でまだ前の会社に残っている。橋田さんは準備をしながら引き継ぎも終えて二ヶ月間に退社し、新しい会社の準備をしていた。

「おはようございます。」

「アンナちゃんおはよ。」

意外にも野田さんがフレンドリーに話しかけてくれる。最初は戸惑っていたが、最近では慣れてきた。

「毎回言いますけど、前の会社で何があったんですか?空気みたいな存在だったのに」

「いやいや。あの会社でこんなテンション無理ででしょ。頭の固い人しか居ないのに。こんなテンションで居られない。だから、ひたすら仕事していたの。お局系の小杉さんも、ね。」

小杉さんが少し睨みを利かせながら

「あの会社に15年も居たことにビックリだよ。野田さんが言い出さなきゃ、今頃もっと酷いお局キャラだったよ」

当時では考えられない楽しい時間が過ぎていく。