やっぱり君が好き(49) | mori--coのブログ

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高校生カップルの10年越しの恋愛ストーリー
26歳になった2人の運命は・・・?

毎週日曜・木曜日更新予定

思い出に浸りながら、散策をして時間を潰し、あのベンチに座り夕焼け空を見ていた。

「懐かしい。後3年・・・。恭太は来てくれるのかな?それとも来ないのかな?」

少し冷めたコーヒーを口にする。

気温も下がり、帰ろうとしたとき

「アンナちゃん」

瑞穂だ。

「えっ?なんでここが分ったの?」

「彼じゃ無くてゴメンね。スタッフさんに頼まれて。今日もしかしたら帰ってこないかもしれないから、迎えに行ってきてって。」

スタッフでもある為、おおよその行き先は伝えてある。

「そっか。でも遠かったでしょ?危なくなかった?変な人から声掛けられなかった?」

少しだけからかう。するといつもの中性的な顔から、男の顔つきに変わり抱き寄せ耳元で

「俺だって男って事忘れないで。」

と囁かれた。

アンナは、ただただうなずくしか出来なかった。かわいい瑞穂から男に変わる瑞穂のギャップにドキッとなり、耳が真っ赤になる。

「アンナちゃん、寒いから手繋ごっ」

いつもの口調。もう訳がわかんない。

言われるがままに手をつないで歩き出す。まるであの時を知っているかのようにコートのポケットの中に手を入れる。

そのやりとりを遠目でだれかが見ていたが、アンナは気づいていない。

「俺のこと忘れてたか・・・。」

男は反対側に歩き出す。