駿太は近況を話してくれるが、恭太の事は濁すばかり。
「私は平気だから、恭太の事教えてよ」
「・・・。あっ!今度オープン記念で、ランチタイムワンコインで提供するの。夜は、ワンドリンクサービス。スゴくない?」
「そ、そうだね。ちゅんくん、それも良いんだけど私の質問に真面目に答えて。恭太は今何してるの?」
「アンナちゃん。それだけは教えられない。でも、元気に過ごしてる。だから安心して。」
元気にしている。その一言で安心する。
「分った。ありがとう。」
駿太たちが帰った後、アンナは思いにふけるように窓の方に目線を送っていた。
「アンナちゃん。何かあった?」
瑞穂が話しかける。
「まぁね。いろいろあるのよ。」
「僕、アンナちゃんの悲しい顔見たくない。笑っていて欲しい」
「ありがとうね。大好きな人と今離れ離れで寂しくてね。元気って聞いて安心したけど、会いたくなっちゃったの」
「会ったらダメなの?」
「約束してるから。26歳になるまで会わないって。」
瑞穂が優しく頭をポンポンする。と同時に、和真にされていた過去が何故かフラッシュバックする。過呼吸になりそのまま倒れる。