“ドン”壁を思いっきり殴る音。
「先輩?何?」
和真がアンナを壁まで追い込みすれすれの所で壁に向かって殴りかかってきた。
「怖いです。何があったんですか?」
「アンナ。なんで今日メール返すの遅かったの?最近ここにも来ないし。」
「ごめんなさい。仕事が立て込んでて返すのが遅くなったんです。それに、残業続きで帰って寝るだけの生活だったんです。」
「ふ~ん。まぁ今日は許してあげる。でも、、、嘘はダメだからね。アンナちゃん」
そう言うとさっきまでの怖い和真からいつもの優しい和真に戻った。
『何が起きてるの?いつもの先輩じゃ無い。』
恐怖で腰を抜かす。そこに和真が近寄り
「アンナちゃん。大丈夫?ベッドに行って休もうか」
と抱きかかえられ、運ばれた。
一睡も出来ないまま朝を迎える。
いつ怖い和真になるかビクビクするアンナ。
和真は、いつも通りの接し方に戻っていた。
じわじわと本性を出し始めた和真。