家の近くの公園のベンチに座り買っていたジュースを飲んで時間を潰す。
「何してんの?」
「泰ちゃん!何でも無い。」
ジュースを勢いよく飲む。
「無理すんな」
頭を軽く二回叩いた後にそっと抱き寄せる。
我慢していた涙が溢れ出す。
「ずるいよ。弱っているときに反則だよ。泰ちゃん」
「俺は何があってもアンナの見方だ。そう決めたんだ。あの時から」
気が済むまで泣いた。目がパンパンに腫れた。その姿をみて笑う泰輔。
「不細工な顔だな。この顔見せられるの俺しか居ねぇだろ?」
笑いながらうなずく。
「この顔は恭太にも見せてない。多分泰ちゃんにしかみせられない。」
泰輔と居ると落ち着く。素で居られる。恭太とはまた違う落ち着く感覚がある。
何年かぶりに通りなれた道をゆっくりと歩く。
「泰ちゃん。ほんとにありがとうね」
「おう。親父さんにその腫れた目見られるなよ。んじゃ、おやすみ」
「おやすみ」
泰輔はちゃんとアンナが家に入っていくところを確認して3件隣の自分の家に帰った。