おはようございます、いつもご覧いただきありがとうございます!
さて、ここまでフラップの役割について見てきました。
「後縁フラップ」の役割については分かっていただけましたか?
では今日は「前縁フラップ」についてみていきましょう。
主翼の前縁についているこの高揚力装置、飛行機によって実は形が違うんです。
例えばこのタイプです。
①
そしてこのタイプ
②
違いが分かりますか??
①はエアバスが積極的に採用しているような気がしますが、「スラット」といいます。
よく見て頂ければ、「隙間」ができていることが確認できるかと思います。
最近のボーイング機も全てこの形のようですね。
この「隙間」を気流が通ることで、以前にもお話した「気流の剥離」を防止させています。
空気の剥離についてはこちら⇓
この「スラット」は、離着陸時の「失速特性を改善」するデバイスといえます。
もちろん、後縁フラップと同時に展張することで翼面積の拡大や、翼の形自体を変える働きも担っています。
飛行機に乗っていて、外を見た時に「あれ?隙間がある!異常だ!」と思う必要はありません!
②は、「クルーガーフラップ」、とか「可変キャンバーフラップ」という名前です。
B747は少し特殊なんですが、基本は「クルーガーフラップ」が装備されています。
「クルーガーフラップ」には隙間がないところがスラットとは違うのですが、働きはほぼ同じです。主翼付け根部分に装備されていることが多いです。
(理由もあるのですが説明が長くなって難しすぎるため省略です)
この2つを装備した飛行機もあります。
ということで、前縁フラップ(スラットとフラップを含めた総称とします)の役割は理解していただけましたか?
高迎え角での失速特性の改善、という重要な役割もあることを知って頂ければ、と思います。
この前縁、後縁両方のフラップを使って、旅客機は低速でも安定して離着陸することができるんです。
今後はこの運用についてもお話しようと思います。
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