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今日より明日

いつか誰かに曲をつけてほしい歌詞の卵を書いていきます。制作の裏話はXに書いています。

花火を見に行った日に
初めて手を繋いで
未来を語りあった時に
敢えて目をそらして

花火が弾けるその度に
怯えているようなので
あなたがどこか遠くに
いかないよう握った左手

綺麗とかすごいだとか言い
一通りの言葉を投げると
もう言うことがなくなり
帰り道の雑踏に溶けてしまう

一言君が言った、あれは月見草だと
僕は何も知らないから、ただ頷いた
君は他にも言いたかったのでは
僕は聞かなくてはならなかったのでは

花火を見に行った日に
初めて手を繋いで
その後の物語に
僕は途中から消えて

あなたの形を記憶する

何もかも覚えておく

その柔らかな輪郭も

そのなだらかな曲線も

全身の全てを忘れない


あなたの動きを記録する

何もかも残しておく

その穏やかな振舞いも

そのしなやかな行動も

微かな所作も漏らさない


どんなに高価なカメラでも

どんなに特別なビデオでも

どんなに優秀なテクノロジーも

どんなに最新のプログラムでも

どんなにやっても虚しくも


あなたを残すために努力する

何もかも焼き付けておく

その優しい微笑みも

そのたおやかな物腰も

私の全身全霊をかけてくじけない

確か前の前のその前の彼女と付き合っていた頃

町の占い師に言われたよあなたは子どもに恵まれないと

彼女の占いでは子どもは二人と言ったばかりなのに

その日は笑って済ませたよ占いなんてそんなものさと


彼女はその後、国に帰って社長の息子か何かと結婚したあと

自分も何かの仕事を始めて成功したらしいと

聞きたくもない情報を友達が教えてくれたのに

その日は倍の酒を飲んで笑って泣いてそんなもんさと


それからいくつもクリスマスと

数えきれないバレンタインと

その都度作って止めた記念日と

いろいろな経験を積んだあと


そして後の後のその後の自分を持て余していつまでも

町の占い師はどこに消えたかあなたには一言言いたいことがあると

あなたの占いは当たっていて同時に外れていましたよ

あの日からいろいろあってね占いのお陰で諦めもできたと



比べてみれば小さいこともある

少ないことも劣っていることも

比べてみれば大きいこともある

有り余ることもよく見えることも


比べてみないと気がつかない

足りないことも負けていることも

比べなければ分からない

ならば本当に意味があるのだろうか


誰かと比べることに疲れたなら

何かを比べることにうんざりしたなら

おそらくそこから始まる物語がある

おそらくその時生まれる何かがきっとある




夜のカフェ 懐かしい歌が流れる
誰も聴いていないのか客は無表情
それは誰 懐かしい曲はマイナー
誰かが泣いているのでは分からないな
足を怪我した老犬のように引きずる
誰も気づいていないのか見ぬふりしてる
それは誰 懐かしい曲はブルース
誰かの嘆きを節につけて気持ち投げ出す

夜の闇に悔しさと焦りと苦しみを溶かそう
月の出ない曇り空ならまして雨など降れば
空の広さに賭けてみたい吐き出した思いの黒さは
地面深くに染み込んで行くものだと信じよう

夜のカフェ 懐かしい歌が流れる
誰も聴いていないのか客は無表情
それは誰 懐かしい曲はマイナー
誰かが泣いているのでは分からないな