「清浄道論」(上座部):観(総論)
最初に「清浄道論」の「観」の瞑想階梯の全体像を説明します。
「清浄道論」の7清浄の体系の中で、「観」に対応する段階は、
>「見清浄」→「度疑清浄」→「道非道智見清浄」→「行道智見清浄」→「智見清浄」
の5清浄です。
最初の4つの清浄は有漏の世間智、最後の「智見清浄」は、四沙門の段階の無漏の出世間智です。
最初の「見清浄」は、名色(精神と物質)を知り、心身に私としての実体はなく、ただ無常である様々な名と色があるのみである理解する段階です。
より細かくは、名の認識と、色の認識の2段階からなります。
これは「苦諦」の理解に相当します。
次の「度疑清浄」は、名色の因縁を知って、輪廻など三世に関する疑惑をなくす段階です。
これは「集諦」の理解に相当します。
3つ目の「道非道智見清浄」は、正しい修行道と非道を区別する段階です。
北伝や大乗仏教の加行道段階に当たると思います。
より細かくは、「聚思惟」と「生滅随観智」などからなります。
これは「道諦」の理解に相当します。
4つ目の「行道智見清浄」は、正しい修行の過程を知る段階です。
より細かくは、「八智」と呼ばれる8つの智と、総まとめ的な「随順智」からなります。
これも「道諦」の理解に相当するのかもしれません。
最後の「智見清浄」への移行段階として「種姓智」があります。
「智見清浄」は、煩悩を離れて四諦を直接知る段階です。
北伝や大乗仏教の見道段階以降に当たると思います。
より細かくは、「四道智」からなります。
これは、「滅諦」の理解に相当するでしょう。
また、5清浄の段階は、大きく「三遍知」という観点からも捉えられます。
「三遍知」は、
>「知遍知」→「度遍知」→「断遍知」
の3段階からなります。
「知遍知」は、名色の各個別相を認識する知です。
実体(法)としての個々の名と色を分別し、その因果関係を認識します。
「見清浄」と「度疑清浄」がこれに当たります。
次の「度遍知」は、個々の名色の共通相(苦・無常・無我)を認識する知です。
「道非道智見清浄」と、「行道智見清浄」の最初(生滅随観智)がこれに当たります。
最後の「断遍知」は、名色が常なるもの、楽なもの、我であるという認識の間違いをなくし、執着を絶つ知です。
「行道智見清浄」の最初(生滅随観智)以外は、「断遍知」でもありますが、同時にまだ、2つ目の「度遍知」の側面も持っています。
5清浄目の「智見清浄」は純粋に「断遍知」です。
「清浄道論」の7清浄の体系の中で、「観」に対応する段階は、
>「見清浄」→「度疑清浄」→「道非道智見清浄」→「行道智見清浄」→「智見清浄」
の5清浄です。
最初の4つの清浄は有漏の世間智、最後の「智見清浄」は、四沙門の段階の無漏の出世間智です。
最初の「見清浄」は、名色(精神と物質)を知り、心身に私としての実体はなく、ただ無常である様々な名と色があるのみである理解する段階です。
より細かくは、名の認識と、色の認識の2段階からなります。
これは「苦諦」の理解に相当します。
次の「度疑清浄」は、名色の因縁を知って、輪廻など三世に関する疑惑をなくす段階です。
これは「集諦」の理解に相当します。
3つ目の「道非道智見清浄」は、正しい修行道と非道を区別する段階です。
北伝や大乗仏教の加行道段階に当たると思います。
より細かくは、「聚思惟」と「生滅随観智」などからなります。
これは「道諦」の理解に相当します。
4つ目の「行道智見清浄」は、正しい修行の過程を知る段階です。
より細かくは、「八智」と呼ばれる8つの智と、総まとめ的な「随順智」からなります。
これも「道諦」の理解に相当するのかもしれません。
最後の「智見清浄」への移行段階として「種姓智」があります。
「智見清浄」は、煩悩を離れて四諦を直接知る段階です。
北伝や大乗仏教の見道段階以降に当たると思います。
より細かくは、「四道智」からなります。
これは、「滅諦」の理解に相当するでしょう。
また、5清浄の段階は、大きく「三遍知」という観点からも捉えられます。
「三遍知」は、
>「知遍知」→「度遍知」→「断遍知」
の3段階からなります。
「知遍知」は、名色の各個別相を認識する知です。
実体(法)としての個々の名と色を分別し、その因果関係を認識します。
「見清浄」と「度疑清浄」がこれに当たります。
次の「度遍知」は、個々の名色の共通相(苦・無常・無我)を認識する知です。
「道非道智見清浄」と、「行道智見清浄」の最初(生滅随観智)がこれに当たります。
最後の「断遍知」は、名色が常なるもの、楽なもの、我であるという認識の間違いをなくし、執着を絶つ知です。
「行道智見清浄」の最初(生滅随観智)以外は、「断遍知」でもありますが、同時にまだ、2つ目の「度遍知」の側面も持っています。
5清浄目の「智見清浄」は純粋に「断遍知」です。
世間智・有漏 | 知遍知 | 見清浄 | 分別智 |
度疑清浄 | 法住智・如実智 | ||
度遍知 | 道非道智見清浄 | 聚思惟 | |
生滅随観智 | |||
行道智見清浄 | 生滅随観智 | ||
度遍知・断遍知 | 壊滅随観智 | ||
| 怖畏智 | |||
過患随観智 | |||
厭離随観智 | |||
脱欲智 | |||
省察髄観智 | |||
行捨智 | |||
随順智 | |||
断遍知 | 種姓智 | ||
出世間智・無漏 | 智見清浄 | 預流道智 | |
一来道智 | |||
不還道智 | |||
阿羅漢道智 |