仏教の瞑想法と修行体系 -45ページ目

パオ流:止2(現代上座部)

パオ流では、「安般念」の次に「三十二身体部分」を行います。


<三十二身体部分>

四方に放射する「ニミッタ」の光の助けのもとに、一カ所ずつ識別していきます。
光が暗くなると、安般念四禅に戻って光を強めます。
物質的な感覚による認識ではありません。

三十二部分は、下記のように分けて識別します。
地界の4組(毛など、肉など、心臓など、腸など)の20部分
水界の3組(胆汁など、涙など、尿)の12部分

他人の身体部分も識別します。

「三十二身体部分」は四界の究極法を対象としておらず、「観」ではありません。
「四界分別観」から色法を識別する「観」を行う方法は、「パオ流ヴィパッサナー(観)」で紹介します。


<白骨観(不浄観)>

三十二身体部分のどれか、もしくは全体を不浄観の対象にします。
一般に、骨格を全体とみなし、その不浄を嫌悪すべき相として「嫌悪、嫌悪」、もしくは「嫌悪すべき骨、嫌悪すべき骨」、「骨、骨」と心の中で言いながら瞑想します。
集中の対象は、骨格の概念から嫌悪の概念に移行していきます。

この場合の五禅支は次のように捉えます。

 尋:骨の嫌悪性に心を向かわせること
 伺:心を骨の嫌悪性に置き続けること
 喜:骨の嫌悪性に喜ぶ
 楽:骨の嫌悪性によって引き起こされた楽しみを体験する
 一境性:骨の嫌悪性に専心する

外にも、十方のどこを見ても骨格のみしか見えないという状態にします。


<十編>

まず、「白遍」から始めます。

骨格の最も白い部分を選んで、その白色に「白、白」と集中します。
骨格は消失し、白い色の円だけが残り、それが「ニミッタ」になります。
それを拡大し、どこを見ても白い色だけにします。

同様に、毛で「青遍」、脂肪で「黄遍」、血液で「赤遍」を、などとして行います。
また、残りの6編も、円形の土地で「地遍」、一桶の水で「水遍」、焚き火の火で「火遍」、体に吹き付ける風で「風遍」、地上に指す光で「光遍」、鍵穴で「空遍」を、などとして行います。


<四梵住(四無量)>

パオ流の「四梵住」の特徴は、それぞれで具体的に限定した念じ方をすることと、ニミッタの光を利用することです。

「慈心観(慈梵住)」の場合は、「危機がないように」「精神的苦痛がないように」「肉体的苦痛がないように」「平安で楽しくあるように」という4つを念じます。

他人に念を向ける場合は、「白遍」などの第四禅の光(ニミッタ)を現しながら、その光を放射し、前方1メートルくらいに、その光の中に対象を見ます。 

また、対象を広げて、最終的には、5種類の無限低の遍満(一切の有情、一切の命ある者、一切の生物、一切の個人、一切の個体)と7種類の限定的遍満(一切の女性、一切の男性、一切の聖者、一切の凡夫、一切の天神、一切の人類、一切の悪道衆生)に対して、先の4つの念を拡大させ、それぞれで10の方向に遍満させます。
ですから全部で12×4×10の遍満を行います。

同様に、「悲心観(悲梵住)」の場合は「苦痛から逃れられるように」、「喜心観(喜梵住)」の場合は「得ることができた成果を失うことがないように」念じます。

「捨心観(捨梵住)」の場合は、先の3種類の梵住の弊害が感情的な作用に近いことを考えて、「この人は自分が作った業の受け取り人である」と念じます。

前の3梵住では第三禅(第四禅)、「捨心観」では第四禅(第五禅)まで行います。


<仏随念>

「仏随念」においても、まず、「白遍」や「安般念」の四禅に至ります。
そして、そのニミッタの光の中に仏の像を思い描き、「阿羅漢、阿羅漢」と念じます。
集中が高まれば、仏の姿は消失し、仏の功徳に集中します。