あなた、ずるいじゃないですか。
私は最初で最後、けれどあなたは最初じゃないのだろう、と思うと、いくら抑えようとしても駄目なようです。あまりに、執着だけはしたくなくて、堪えて、負けず嫌いがはたらいて、あっという間にわたくしは顔を真っ赤にして1人で涙ぐみました。
でも、けっしてあなたを疑っているわけでも、否定しているわけでもないのですよ。
せめて、ご飯はわたくしが作ってお出ししたい。
ちょっとだけでも、ひとりじめ。
いいえ…ほんとうのところは、嘘をついてでも、「お前に会うために生まれて来たのだ」などと、言って欲しい。ほんとうは、そう。いやだめ、嘘なんてつかないで。本心で言って。
じゃないと、おもちゃを買ってもらえなかった子供のように、わたくしだっていじけます。
いじけていじけていじけて、あなたが合鴨のスモークを買ってこられたとしても、わたくしは手をつけません。
…うそ。いや、ほんとう。でも、ちょびっとやっぱりうそ。けれどわたくしの人生において、それくらい譲れないんです。他はいくらだって構わない、でもあなたはわたくしを骨の髄まで口説いてください。
そうしたらわたくし、いつまでだってきっとちゃんとした"人間"でいられる。
お願い、乱暴な言葉も使わないで、勘違いした揶揄いもしないで、やさしく、やさしくやさしく、わたくしの寝ぼけた朝に付き合ってほしい。