昨日、私は丸福珈琲店へ行ってきました。
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 仕事を終えて職場を出ると、もう八時半近くになっていました。丸福珈琲店は十時閉店です。 
 今から行くのは何だか慌ただしいような気がしました。でも今日しかないと思っていたのです。
 誕生日の記念に行くのですから、九月の後半に行くのが良いと考えていました。そう考えると、行ける日は今日しかありません。今月は予定が多いのです。十月に入ってからでは、タイミングとして遅すぎます。そんなわけで、私は行くことにしました。
 ユフラに着き、丸福珈琲店の前に立ちました。何だか気後れがしたのですが、どうしてなのでしょう。そんな気分を抑えて、お店の中に入りました。とうとう来ちゃったなあ、そう思いました。
 お店の入り口の右側のスペースは、私を引き付けました。ここの奥に座ろうと、即座に決めたのです。何名様ですかと尋ねる店員さんに、私は右側の奥の席を希望しました。
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 店員さんがメニューを持ってきてくれました。
 メニューを持ったままで、私は困っていました。熱い珈琲を注文したいと思っていたのです。しかし私はおなかが空いていました。食事をしようかと考えて、カレーやサンドイッチを選んでしまいそうでした。オムライスも美味しそうです。
 いやいや今日は食事よりは珈琲だ、と思い直しました。
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 バウンド アラモード セットです。ちなみに1.280円です。
 プリンは美味しくて、買って帰ろうかと思ったぐらいです。とろけるような甘さと、ほどよい冷たさでした。フルーツは新鮮で爽やか、クリームと合ってました。
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 あっという間に食べてしまったのは、おなかが空いていたからではありません。
 また珈琲も熱いうちだわと、私はすぐに飲んでしまいました。もっと飲みたいと思いました。
 おかわりドリンクは300円です。私は紅茶を頼みました。珈琲と紅茶、両方の味わいを知りたいと思ったからです。
 そして紅茶はレモンが良い、そんな気分になっていました。
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 レモンが分厚いので、驚きました。勝手な意見ですが、もう少し薄い方が私は好きです。
 ところでお気づきでしょうか、角砂糖なのです。珈琲もそうでした。嬉しいですね。
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 私は幸せな気分で、角砂糖を眺めていました。若かったころを思い出しました。
 あの頃、喫茶店で出されるお砂糖はいろいろでした。ポットに入れられた角砂糖やコーヒーシュガー、グラニュー糖などでした。それらが卓上にありましたね。そんな記憶がよみがえって来たせいか、私は急に若い頃の自分に戻りました。
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 珈琲も紅茶も、今の私はお砂糖を入れません。特に紅茶はストレートで飲みます。
 今日は若い頃のように角砂糖を紅茶に入れてみよう、と思いつきました。そしてレモンを浮かべたのです。甘酸っぱい味の紅茶が懐かしくなったからです。
 レモンを紅茶から出して、手に取ってみました。恥ずかしいことに、私はそのレモンを食べ始めました。昔はそんなことをしていたのです。やっぱり酸っぱいなあと思いましたが、きれいに食べてしまいました。紅茶に浮かべたレモンは美味しいですね。

 余談です。
 喫茶店のストローの紙袋の話です。細かいことはもう忘れましたが、ストローの紙袋を濡らして丸め、喫茶店の天井に投げることが流行したように思います。天井に投げてくっついたら、ラッキーだとか言ってたような気がします。喫茶店側には、迷惑な話ですね。
  
 話は戻ります。
 私は困りました。私は何をしたくて、ここに来たのでしょう。私の心のどこかにある哀しみを癒したくて、ここに来たつもりでした。高級な喫茶店に入りたかったのも、本当です。初めはそれが目的でしたが、いつの間にか、想い出と向き合うためとなっていました。
 あの人達の想い出は大切なものです。私はその人達に尋ねたいことがあるのです。こんなに時が流れ、その優しい顔の記憶が曖昧になっても、私は知りたいのです。答えて欲しいのです。
 あの時、どうしてあなたたちは・・・

 その人たちを思い出そうとしたのに、青春時代を思い出しました。その人達の想い出よりも、若かった頃の喫茶店の記憶が強かったのでしょうか。いいえ、違います。その人たちのことを思い出すのは、眠る前が一番に良いのです。独りでお部屋にいる時が、一番に良いのです。ため息が出そうなほどに、心が疲れた日が似つかわしいのです。私は時と場所を間違えました。
 
 私は予定よりも少しだけ早く、席を立ってしまいました。もう帰ろうと思ったのです。
 これが私の誕生日、そんな言葉も浮かびました。丸福珈琲店には、また行くでしょう。

  

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