先月の19日に、なんばパークスへ行きました。
METライブビューイングで、オペラの映画を観るためです。
プッチーニの「トゥーランドット」を、以前から観たいと思っていました。「誰も寝てはならぬ」のアリアはもちろん、舞台は古代中国というのが魅力的なのです。エキゾチックですし、豊かなロマンを感じます。
上映は6時半からです。夕方に家を出ました。
その時に見た空です。この写真をアップするのは何度めか分かりません。1枚の写真を、よく使い回しています。

このオペラはとても有名ですから、今さらとは思いますが、簡単に物語を書きます。良かったら、読んで下さいね。長いですし、スルーでけっこうです。

古代中国の北京でのお話です。
ペルシャの王子が処刑される場面から、物語は始まるのです。
この国の姫はとても美しいのですが、冷酷な性格の持ち主です。
その美しさに惹かれて姫に求婚したひとは、3つの謎を出されます。すべての謎に答えられないと、求婚者は首を切られてしまうのです。
そのペルシャの王子も謎に答えられなくて、月が上ると処刑されてしまうのです。民衆が集まって、その時を待っています。暗くて薄汚れた市街のようすが分かりました。
その場所に、ひとりの放浪の王子が現れます。
戦争に負けたダッタン国の王子であるカラフです。
カラフはこの場所で、父王と女奴隷のリューに再会しました。
リューは、以前からカラフを愛しています。カラフがリューに微笑みかけた時に、リューは恋をしてしまったのです。

ペルシャの王子の処刑を見るために、そこへトゥーランドットが現れます。その美しい姿を見たカラフは、ひと目で恋をしてしまいました。
命をかけても良いと、姫に求婚する決意をします。
リューは泣きながら、求婚すると言うカラフを引き留めます。
これが有名な、「お聞き下さい、王子様」のアリアですね。大変にきれいな曲が、大変にきれいなソプラノで歌われます。
カラフも「泣くな、リュー」と歌います。
カラフは銅鑼を鳴らし、命をかけて姫に求婚しました。トゥーランドットはそれほどにまで崇高な美しさなのです。
カラフが姫に恋をする時に登場するのが、ピン、パン、ポンの3人の大臣です。お笑いの役目ですね。3人が各々の故郷を思って歌う場面は、聴いていて感動もしました。それは、私にも故郷があるからでしょうね。
最近に知ったのですが、テレビの子ども番組のピンポンパンは、ここからとったそうです。驚きました。
ちなみに、オペラでは「ピンパンポン」であり、テレビ番組では「ピンポンパン」です。これもネットで知りました。いろいろと興味深いことばかりですね。
さて、宮廷で謎解きが行われます。
姫が出した謎を、カラフはすべて正しく答えました。約束通りに、姫はカラフと結婚しなければなりません。それなのに、姫は必死で拒絶しました。勝手すぎて酷いですね。

そこで、カラフは姫に問題を出します。
「私の名前を答えてください。貴女が明日の朝までに答えたなら、私は死にましょう」
姫は大変に冷酷です。カラフの名前を正しく答えれば、自分は結婚しなくても済むのです。北京の民におふれを出しました。
「誰も寝てはならぬ。寝ないで王子の名前を調べるのだ。答えられない者は死刑にする」
勝利を信じたカラフのアリアが、
「誰も寝てはならぬ」です。
あまりにも有名な曲ですね。
三大テノールと呼ばれた、あのルチアーノ・パヴァロッティで知られています。
パヴァロッティ以外では、私の好みではありますが、ジョン・健・ヌッツオが素晴らしいと思うのです。大変に素晴らしい歌唱力だと、YouTubeで聴いた時に思いました。
また、スケートで荒川静香さんが使われたことも知られています。この曲で演技されて、オリンピックで金メダルを獲得されました。

「明日の朝、姫は私のもの。私は勝つ。私は勝つのだ」とカラフは勝利を信じて、歌いあげます。
しかし、哀しいおふれを出された民衆はそうではありません。
「でも、私達は死ななければならない」と静かに歌うのです。とてもきれいな合唱でした。
3人の大臣達が、カラフに言います。
「楽しませてくれる魅力的な女と財宝をやるから、ここを離れろ」
美女や宝を目の前に見せられても、カラフの決意は変わりません。トゥーランドット姫だけを望んでいるのです。
そこへ、父王と女奴隷のリューが引き立てられて来ました。
姫のおふれに応えるため、カラフの名前を言わせようとする兵士に捕らえられたのです。
リューは、拷問されそうな父王をかばいました。
「王子様の名前を知るのは、私だけ。他のひとは誰も知らない」

そして、近くにいた兵士の武器を奪い自刃してしまいます。こうして、カラフの名前を知る者はいなくなりました。リューの犠牲により、カラフの命は救われたのです。
大臣達や民衆は、その場から立ち去りました。
近くにいた氷のように冷たい姫君も、カラフのために死んでいったリューの愛を見て、冷静ではいられません。動揺しています。
2人きりになり、カラフは姫を抱擁しました。
自分のカラフへの愛を、姫は知っています。
「ここを立ち去るように」と、カラフに言いました。そこで、カラフは姫に教えます。
「私の名はカラフだ」
姫は、すぐに民衆に伝えました。
「王子の名前がわかった」
最後の場面です。
宮廷に2人はいます。皇帝から民衆まで、いろいろなひとが集まっています。私はカラフが処刑されるかと思い、少し緊張しましたが、勘違いでした。
トゥーランドットは、皆に告げるのです。
「王子の名がわかった。それは『愛』なのです」
手を取り合った2人は、皆から祝福されます。
「誰も寝てはならぬ」の旋律が人びとに歌われるなか、幸せな結末となりました。

ハッピーエンドで良かったですね。
悲しい終わりかたは、それはそれで感動もありますが、やはり寂しいものです。
あまり涙も流さずに見終わりました。
「椿姫」を観た時は、初めから終わりまで泣きました。前奏曲の時点で、もう涙がこぼれてしまったのです。

トゥーランドットを歌われたのは、アメリカの歌手のかたで、クリスティーン・ガーキーです。
3つの謎を出すときの歌唱が凄かったことは、今も覚えています。
ワーグナーの楽劇である「ワルキューレ」も観ましたが、どちらも素晴らしかったですね。

映画が終わり、なんばパークス内を駅へと歩きながら、とても幸せな気分でした。

良い音楽を聴いたあと、イルミネーションを眺めながら歩くのです。ひとりでも楽しいですね。寂しさはありますが、ひとりも悪くはないものです。
こんな思いが出来る幸せを、嬉しく思えますから。

寝てばかりのぐうたらな私です。元来が我が儘ですから、のんびりと寝てはいても、思い悩む日もあります。自己中心な考えは絶えずありますし、反省はその場限りのもので終わりがちです。

こうして良い音楽に触れ、冷たくても爽やかな風を受けていると、何かを感じてしまいますね。
長々と読んで下さりまして、有難うございます。
「トゥーランドット」のお話は、ネットでも調べましたが、私の記憶と受けた印象から書いています。
申し訳ないですが、実は自信なく書いてしまっています。間違えていたら、ごめんなさい。

METライブビューイングで、オペラの映画を観るためです。
プッチーニの「トゥーランドット」を、以前から観たいと思っていました。「誰も寝てはならぬ」のアリアはもちろん、舞台は古代中国というのが魅力的なのです。エキゾチックですし、豊かなロマンを感じます。
上映は6時半からです。夕方に家を出ました。
その時に見た空です。この写真をアップするのは何度めか分かりません。1枚の写真を、よく使い回しています。

このオペラはとても有名ですから、今さらとは思いますが、簡単に物語を書きます。良かったら、読んで下さいね。長いですし、スルーでけっこうです。

古代中国の北京でのお話です。
ペルシャの王子が処刑される場面から、物語は始まるのです。
この国の姫はとても美しいのですが、冷酷な性格の持ち主です。
その美しさに惹かれて姫に求婚したひとは、3つの謎を出されます。すべての謎に答えられないと、求婚者は首を切られてしまうのです。
そのペルシャの王子も謎に答えられなくて、月が上ると処刑されてしまうのです。民衆が集まって、その時を待っています。暗くて薄汚れた市街のようすが分かりました。
その場所に、ひとりの放浪の王子が現れます。
戦争に負けたダッタン国の王子であるカラフです。
カラフはこの場所で、父王と女奴隷のリューに再会しました。
リューは、以前からカラフを愛しています。カラフがリューに微笑みかけた時に、リューは恋をしてしまったのです。

ペルシャの王子の処刑を見るために、そこへトゥーランドットが現れます。その美しい姿を見たカラフは、ひと目で恋をしてしまいました。
命をかけても良いと、姫に求婚する決意をします。
リューは泣きながら、求婚すると言うカラフを引き留めます。
これが有名な、「お聞き下さい、王子様」のアリアですね。大変にきれいな曲が、大変にきれいなソプラノで歌われます。
カラフも「泣くな、リュー」と歌います。
カラフは銅鑼を鳴らし、命をかけて姫に求婚しました。トゥーランドットはそれほどにまで崇高な美しさなのです。
カラフが姫に恋をする時に登場するのが、ピン、パン、ポンの3人の大臣です。お笑いの役目ですね。3人が各々の故郷を思って歌う場面は、聴いていて感動もしました。それは、私にも故郷があるからでしょうね。
最近に知ったのですが、テレビの子ども番組のピンポンパンは、ここからとったそうです。驚きました。
ちなみに、オペラでは「ピンパンポン」であり、テレビ番組では「ピンポンパン」です。これもネットで知りました。いろいろと興味深いことばかりですね。
さて、宮廷で謎解きが行われます。
姫が出した謎を、カラフはすべて正しく答えました。約束通りに、姫はカラフと結婚しなければなりません。それなのに、姫は必死で拒絶しました。勝手すぎて酷いですね。

そこで、カラフは姫に問題を出します。
「私の名前を答えてください。貴女が明日の朝までに答えたなら、私は死にましょう」
姫は大変に冷酷です。カラフの名前を正しく答えれば、自分は結婚しなくても済むのです。北京の民におふれを出しました。
「誰も寝てはならぬ。寝ないで王子の名前を調べるのだ。答えられない者は死刑にする」
勝利を信じたカラフのアリアが、
「誰も寝てはならぬ」です。
あまりにも有名な曲ですね。
三大テノールと呼ばれた、あのルチアーノ・パヴァロッティで知られています。
パヴァロッティ以外では、私の好みではありますが、ジョン・健・ヌッツオが素晴らしいと思うのです。大変に素晴らしい歌唱力だと、YouTubeで聴いた時に思いました。
また、スケートで荒川静香さんが使われたことも知られています。この曲で演技されて、オリンピックで金メダルを獲得されました。

「明日の朝、姫は私のもの。私は勝つ。私は勝つのだ」とカラフは勝利を信じて、歌いあげます。
しかし、哀しいおふれを出された民衆はそうではありません。
「でも、私達は死ななければならない」と静かに歌うのです。とてもきれいな合唱でした。
3人の大臣達が、カラフに言います。
「楽しませてくれる魅力的な女と財宝をやるから、ここを離れろ」
美女や宝を目の前に見せられても、カラフの決意は変わりません。トゥーランドット姫だけを望んでいるのです。
そこへ、父王と女奴隷のリューが引き立てられて来ました。
姫のおふれに応えるため、カラフの名前を言わせようとする兵士に捕らえられたのです。
リューは、拷問されそうな父王をかばいました。
「王子様の名前を知るのは、私だけ。他のひとは誰も知らない」

そして、近くにいた兵士の武器を奪い自刃してしまいます。こうして、カラフの名前を知る者はいなくなりました。リューの犠牲により、カラフの命は救われたのです。
大臣達や民衆は、その場から立ち去りました。
近くにいた氷のように冷たい姫君も、カラフのために死んでいったリューの愛を見て、冷静ではいられません。動揺しています。
2人きりになり、カラフは姫を抱擁しました。
自分のカラフへの愛を、姫は知っています。
「ここを立ち去るように」と、カラフに言いました。そこで、カラフは姫に教えます。
「私の名はカラフだ」
姫は、すぐに民衆に伝えました。
「王子の名前がわかった」
最後の場面です。
宮廷に2人はいます。皇帝から民衆まで、いろいろなひとが集まっています。私はカラフが処刑されるかと思い、少し緊張しましたが、勘違いでした。
トゥーランドットは、皆に告げるのです。
「王子の名がわかった。それは『愛』なのです」
手を取り合った2人は、皆から祝福されます。
「誰も寝てはならぬ」の旋律が人びとに歌われるなか、幸せな結末となりました。

ハッピーエンドで良かったですね。
悲しい終わりかたは、それはそれで感動もありますが、やはり寂しいものです。
あまり涙も流さずに見終わりました。
「椿姫」を観た時は、初めから終わりまで泣きました。前奏曲の時点で、もう涙がこぼれてしまったのです。

トゥーランドットを歌われたのは、アメリカの歌手のかたで、クリスティーン・ガーキーです。
3つの謎を出すときの歌唱が凄かったことは、今も覚えています。
ワーグナーの楽劇である「ワルキューレ」も観ましたが、どちらも素晴らしかったですね。

映画が終わり、なんばパークス内を駅へと歩きながら、とても幸せな気分でした。

良い音楽を聴いたあと、イルミネーションを眺めながら歩くのです。ひとりでも楽しいですね。寂しさはありますが、ひとりも悪くはないものです。
こんな思いが出来る幸せを、嬉しく思えますから。

寝てばかりのぐうたらな私です。元来が我が儘ですから、のんびりと寝てはいても、思い悩む日もあります。自己中心な考えは絶えずありますし、反省はその場限りのもので終わりがちです。

こうして良い音楽に触れ、冷たくても爽やかな風を受けていると、何かを感じてしまいますね。
長々と読んで下さりまして、有難うございます。
「トゥーランドット」のお話は、ネットでも調べましたが、私の記憶と受けた印象から書いています。
申し訳ないですが、実は自信なく書いてしまっています。間違えていたら、ごめんなさい。
