昨晩遅く、何の気なしにTSUTAYAに立ち寄ってみた。
さすが連休中だけあって、新作DVDはほとんど借りられていた。
本命の「ゲド戦記」も。
ちょっとげんなりして横に目をやると「どろろ」が。
幸い一つだけ残っていた。
いきおい、残り物に福ありさっ!と自分に言い聞かせて、消極的な選択を正当化。
そして今日の夕方、特に待ち焦がれるでもなく、空いた時間を埋め合わせるためにDVDをPCに流し込む。
おお、初っ端から派手だねー
ザ・エンターテイメントって感じだなあ、これは
お、柴咲コウ、成り切ってるなー
舞妓Haaaan!!!とは別人だ
妻夫木聡の殺陣シーンも、けっこう様になってるぞっ
... と、最初は評論家もどきの目線だった。
大金をつぎ込んでドンチャカ派手にやるだけのハリウッド映画に通じる気配があって、頭の片隅で警戒していたのかもしれない。
でも、数分後、それは単なる杞憂だということが判明。
ホッと胸をなでおろして油断していたら、二時間後。
さすが、盗人を描いた映画だけのことはある。
あっさり、マイお気に入り映画ランキング1位の座を奪い取られてしまった。
まさに不意打ち!
観終わった後、渦巻く感情を鎮めるのに忙しくて、しばらく動けなかった。
出会ってしまった!と思ってしまった。
これだけ荒唐無稽なストーリーに、人間性の全てが余すところなく織り交ぜられていることに、ただただ驚いた。
いや、荒唐無稽だからこそ、メタファーのおかげで、深遠で際限ない人間性を手広く拾えるのだろうか。
人間が生きるということの全てが詰まっていた。
生きる意味・理由・目的
理想と現実
運命と因果
戦争と平和
人間の弱さ、愚かさ、狡猾さ、冷酷さ
心の傷、挫折
その先に待っている悟り、強さ、優しさ
生の喜びと痛み
社会と政治
家族
愛
こんなにも表情豊かに心が波打ったのは久々だった。
脳の組成が変わっていくかのような感覚さえ訪れた。
原作者の手塚治虫という才能に、感服の至りである。
役者たちもいい仕事をしている。
アクションやCGという映像ならではの醍醐味も存分に味わえる。
強いて苦言を呈せば、CGの「安っぽさ」だろうか。
急に感情移入を阻まれてしまう。
が、それすらも補って余るほどの文学や哲学が溢れている。
最後に流れるミスチルのシニカルな主題歌も、対照的でよく映えている。
映画のDVDはもっぱら借りる方なのだが、初めて購入してみようかと思っている。
単なる暇つぶしの道具としてではなく、生きるためのバイブルとして。
よって、もちろん評価は、文句なしの5つ星!
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「どろろ」(2007年)
主演:妻夫木聡・柴咲コウ
原作:手塚治虫
監督:塩田明彦
評価:★★★★★
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