(2023年5月7日、都内にて。以下同じ)

 
 たまたま本屋さんで見かけた『スマホはどこまで脳を壊すか』(朝日新書)、あれ…たしか、2023年4月に出たのは、『スマホ依存が脳を傷つける~デジタルドラッグの罠~』(宝島新書)ではなかったかしらん…と思いながら、その本をぱらぱらと拾い読みしてみました。

 そして、たまたまなのですが…5月7日付読売新聞で、その
『スマホはどこまで脳を壊すか』に関する書評が載っていて、興味深く読みました。

 

 

2023年5月7日付 読売新聞より


 西成活裕という「数理物理学者」(←数理物理学者なる人が、いったいどんなことを研究しているのか、わたしはワカラナイのです)が、その『スマホはどこまで脳を壊すか』について、こんなふうに書き出しで紹介しています。

 
「これは子供たちの未来に対する重大な警告書である」

 うんうん…そうなのですよ、2023年4月17日ブログ でも書きましたが、2029年5月にWHOは「ゲーム依存症」について、「アルコール依存症などと同じく、治療の必要な精神疾患である」と声明を発しているのです。 

 いまのスマホの機能というのは、

   炎 
ゲームも出来るし、

   炎 赤の他人とかんたんにつながることはできるし、

   炎 テレビや各種動画も好きなだけ見られるし、

 ゲーム機単体の「毒素」が100だとしたら、

 ゲーム以外にも“効能”のある、この
「デは、「毒素」の値は、10000ぐらいになるのではないでしょうか。

 にもかかわらず、
「おためごかし」という言葉を知らない人が「おためごかしされていることがワカラナイ」のと同じように、自分たちがすでに“薬物中毒”になっていることの自覚のないオトナ(例:父親、母親)から、「家族割で、安くデジタルドラッグが購入できるってさ」「あなたも使ってご覧なさいよ、気持ちよくなれるわよ」「日頃のストレスも、このドラッグのおかげで忘れられるわよ~」と誘われて、小さい頃から、になってしまっています。

 

ぽってりフラワー


 上の書評を読んだのは、たまたま入った喫茶店だったのですが、

 その帰り道、わたしは電車に乗っていておどろいてしまいました。

 

 


 女の子が、タブレットを見ながら、ゲームをしていました。


 横では、母親が、スマホに夢中です。

 

 


 そして、何と、その母親の横には、もうひとり、小さい男の子がいて、

 やはりタブレットでゲーム中でした。

 あらら…、
目の前のお母さん自身が、そういう「スマホ(=デジタル・ドラッグ)」の危険性に警鐘を鳴らす書物(A・ハンセン『スマホ脳』)を読めなくなっているとしたら、幼い子に、「家族割」のいきおいに任せて“薬物”を与えてしまうのだろうなぁ…と思って、さらに横を見ると、

 

 


 さらに、もう一人、スマホの画面をのぞき込む男の子がいたのです。

 も~ こうなって来ると、どうしようもないですよね…、
親が「スマホ」が「デジタル薬物」ということがわかっていなくて、安さに引かれて、子どもたちに“薬物”を買い与えているからです。

 

ぽってりフラワー


 そういう意味では、書評を書いている西成活裕さん、『スマホはどこまで脳を壊すか』を取り上げてくれたのはとってもうれしいのですが、末尾が何とも弱いのです。

 
「もちろん、スマホは今やなくてはならないものだが、賢く使うことが肝心だ。その健全な使用法について、家族で話し合う良いきっかけになる一冊である」

 ねぇ~~~~? ラストが凡庸でしょう?


 「スマホ」の危険性を説く川島隆太さんは、未成年は「賢く使う」なんて土台無理だ、「健全な使用法なんて(スマホというのは、デジタル薬物なのだから)ありえない」、家庭ごとに抑制ができないのなら「18禁」みたいに「法律で(強制的に)禁止しろ」「そうでないと、国が亡びるぞ」というようなことを言っているのです。

 そんなこと、わたしにとってみれば当たり前ですよ…。

 こんなにアブナイ薬物について、

 
「頭ごなしに『禁止』するのではなくて、その危険性を家族で話し合って、使い方のルールを家庭で定めよう」なんて言っている“教育評論家”ふうの人たちがいかに多いことか、そんな無責任な発言にダマされていたら、気がついたら、わが子は(18歳になる前に)廃人になっていました…なんてことが起きますよ、全国のおとうさん、おかあさん…どうかしっかりして下さい。

 ( お し ま い )

 

 

◆ 百 科 事 典 を 引 け な い 大 学 生( 2023年4月25日ブログ 
 13歳中学生、母親にスマホを注意されて… ( 2023年1月21日ブログ 

 13歳の女子中学生がスマホの使用について母親から注意(叱責?)をされたあと、寝入っている母親を刃物で刺し殺すという、この事件。これはこの女子中学生だけの問題ではないはずなのに、報道はその後何もありません。この事件からも「スマホ中毒=薬物の恐ろしさ」が見てとれます。