ひとつ…質問です。
あなたが腕時計を欲しくなったとして、どこに買いに行きますか。
いまの人って、町の「時計屋さん」ではなくて、「ヨドバシカメラ」みたいな大型店に行くんだろうなぁ…(あるいは、高級時計を買いたい人は、デパートとか専門店?)。
そこ も 、ホントウは…大きな問題なのです。
つまり、小さな個人商店が、大きな資本につぶされていくというのは、まさに「TPP」の構図でもあります。
「TPP」の場合は、大きな資本というのが、グローバル企業であり、小さな個人商店というのが、例えば日本の農家さんたちかな…。
ね…、こうして考えると、
「ヨドバシカメラ」の問題というのが、世界につながっている
…ということがわかってとても面白いです。
きのう、わたしが歩いた商店街は、こちら…。ここの商店街…
実はひそかな最近の「マイ・ブーム」なのです、裏道、抜け道、
路地裏…満載の 徘徊にはうってつけの街です。(2019年9月14日)
でも、先を急ぎますね…(笑)。
もし、あなたが いま腕時計を買うとして、
日差30秒の時計 (2日で1分くるう)
年差30秒の時計 (1年で30秒くるう)
という ふたつのタイプを出されたから、どちらを選びますか。
まぁ、たいていは、
時刻の正確なほう…を選びますよね(値段やデザインが同程度なら)。
じゃあ、次はどうでしょう。
3億年に1秒くるう時計、
3000億年に1秒くるう時計、
…ハハハ…こんな選択…ふつうは、問題にならないのです。
だって、そもそも…1億年だって生きる人はいないのだから、
「3億年に1秒」でも「3千億年に1秒」でも、
はっきり言って、どうでもいい!!
でも、それが「どうでもよくない」人たちがいる…ということを、
わたしは知りました。
9月10日ブログで、防衛省が、企業や大学の研究室に呼びかけて「軍事研究」を進めようとしていることにふれましたが(→ コチラ )、そんな時に、知り合いのジャーナリストの人が 「詩乃ちゃん、これ知っている?」と記事を持って来てくれました。
読んで…「ははぁ~~~ん」と、思いました。
そして、「これこれ~~~っ」って、
わたしは、そのジャーナリストの人と顔を見合わせて笑ってしまったのです。
&
まず、その記事を紹介しますね。
〔引用はじまり〕
誤差3千億年に1秒、超精密時計開発へ前進
岡山大と理研グループ
2019年9月12日(木) 山陽新聞
原子核時計開発に向けた研究のイメージ
岡山大異分野基礎科学研究所(岡山市)や理化学研究所(埼玉、兵庫県)などの研究グループは、エックス線を使って人工的にトリウム原子核のエネルギーを吸収・放出させる遷移に世界で初めて成功したと11日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。世界標準に現在使われているセシウム原子を使った原子時計より精度が高い「原子核時計」の開発につながる成果という。衛生利用測位システム(GPS)などへの活用も期待される。
原子時計は、原子が特定の周波数の光エネルギーだけを吸収・放出する性質を利用して、その光の周波数を基に1秒を計っている。セシウム原子を使った原子時計は約3億年に1秒の誤差が生じるとされるが、電子に囲まれて保護された原子核はより安定しているため、誤差は約3千億年に1秒まで減るという。
グループは、原子核の中で最も低い光エネルギーを吸収・放出するとされるトリウム229の原子核について約5年前から研究。大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)で原子核にエックス線を当てる実験を繰り返し、どの周波数で遷移するかを特定した。
今回は、特殊な施設でエネルギーの高いエックス線の光を当てて成功しており、原子核時計の開発に向けては、エネルギーが低く、一般に扱いやすいレーザー光で遷移させることが課題という。
原子時計は人工衛星にも搭載されており、衛星の電波が地上まで伝わる時間などから現在地を特定するGPSでは、より誤差の小さい精密な時計が求められている。
グループの中心の1人の吉村浩司・岡山大異分野基礎科学研究所教授は「世界中でし烈な競争が繰り広げられている原子核時計の開発で、日本の先端技術を結集して研究を進展させることができた。実用化に向けた研究をさらに続けたい」と話している。
〔引用おしまい〕
わたしたちが、
3億年に1秒の誤差か(→原子時計)、
3000億年に1秒の誤差か(→原子核時計)
どちらの時計がいいですか…と聞かれても、だいたい100年も経てば、人間は死んでしまうので、「時計の誤差」が〈3億年に1秒〉だろうが、〈3000億年に1秒〉だろうが、小島よしおさんふうに…「そんなの関係ねぇ!うっぱっぴ~~~」となるのです。
でも、不思議なことを、そこの大学の教授(吉村浩司さん)は言っています。
「世界中でし烈な競争が繰り広げられている原子核時計の開発で、日本の先端技術を結集して研究を進展させることができた。実用化に向けた研究をさらに続けたい」
え…
世界中で研究者が、〈3億年に1秒〉ではなくて〈3000億年に1秒〉の誤差の時計を作ろうと思って「し烈な競争が繰り広げ」られているんですか…
日本でも、セイコー、シチズン、カシオといったメーカーがしのぎを削っているのでしょうか
「実用化に向けた研究」って…
そういう時計を売り出すんですか…
そんなバナナ~。そんなことは、ありませんよ。
世界で「その手の研究」をしている人たちというのは、ホンネを言えば、
別に「腕時計」なんか開発しようとしているわけではないのです。
この記事では…と言うか、その研究者たちは、自分たちの研究・開発しているものの内容をあからさまに言うとカドが立つものだから、無理やり(涙)、時計の話に持って行って、そのために、話がよけいに分かりにくくなってしまっているのです。
この技術(=原子核時計)を使えば、
衛生利用測位システム(GPS)を使った軍事技術で圧倒的優位に立てるのです。
(ちらりと…上の記事中に書いてあります…、でも、大事なところは、まさにそこです)
時計にたとえた〈3億年に1秒〉の誤差と〈3000億年に1秒〉の誤差というのは、1000倍も精度が上がるってことですよ…。
1キロの誤差で相手の位置を測定していた軍事兵器が、1メートルの誤差になったら、無人偵察機のミサイルでも何でも、ものすごく的中率があがるわけです。
サウジアラビアの石油施設への【ドローン攻撃】を伝えるCNNニュース(左)と、NHKニュース(右)。ほかの報道によると、ドローンは全部で10機だった…という話も聞きました。
折りしも、14日に、サウジアラビアの石油施設が、ドローン(無人航空機)による攻撃を受けたことが報道されましたが…、「原子核時計」も、ゆくゆくは、こういう無人攻撃機の精度を上げるために開発・運用されていくのかもしれません。
なるほどね~~~、
山陽新聞(本社:岡山県岡山市)ならではの、ローカル記事でしたが、その地方の、ややもすれば読み飛ばしてしまいそうな記事でしたが、深いところで「ローカルが世界とつながっていること」を、わたしは実感しました。
とっても よい勉強になりました~
( お し ま い )