わたしは、ふだんから、コトバの問題と格闘しています。
このブログでの、よく取り上げる例としては、「国家」とか「政府」とかいう言い方かな…。
そういう表現を使うことで、わたしたちは、無意識であっても…そういう組織やグループがどうしても 「きちんとしている、公正な機関」であると考えてしまう危険性が生じて来ます。
だから、わたしは…字数は長くなりますが、わざわざ「霞が関周辺でサークル活動をしているオジさんたち」と(このブログでは)書いているのです。
さて、それ以外にも…身の回りのコトバの使い方に、わたしは ふと立ち止まって考えることがあります。
最近、考えたのは、うどん屋さんの、これ。
「そばもお選び頂けます」
これは、日本語として正しいのでしょうか。
その前提として、
「~いただく」という言葉は(謙譲語ですから)自分〔や身内〕が へりくだる時に使う言葉 です。
(例1) わたしが、〇〇さんの作ってくださったカレーをいただく。
(例2) わたしが、〇〇さんから、本をいただく。
では、これはよいのでしょうか。
(例3) 〇〇さんに、英語を教えていただく。
つまり、「〇〇さんの行為」に「いただく」という謙譲語をつけてよいのか(注)。
(注)後日 解説…。但シ アクマデモ…予定。
もうひとつ(第2問)は、最高裁近くにある憲政記念館(←なんてシブい建物)にある、こんな立て札。
「持参された傘は…」
わたし…思うんだけど…こういうところって、外国人も訪れる…日本の「表玄関」みたいなところです( ←言い過ぎ )。
だから、歌舞伎町のぼったくりバーの出入り口には、どんな日本語が書いてあってもOKだと思いますが、こういうところには、正しい表記をして欲しいものです。
この表記は、たいていの「日本語の本」「敬語誤用辞典」などにも載っている誤用の典型ですから、ちょっとお粗末ですよね。
最後は、ちょっとむずかしいかな(第3問)。
「天皇」のことをどう呼ぶか…、
産経新聞などは、昔から「天皇には…〈陛下〉という敬称をつけよ」と言っているようです。だから、産経新聞は、他紙が「天皇陛下」と書かずに、「天皇は~」といった書いたことにも、噛みついたことがあるようです。
(2019年5月11日)
…そういう点からすると、こういう垂れ幕(↑)なんかは、産経新聞、好きなんじゃないでしょうか?
でもね…(と、詩乃ちゃんは考えるわけです)。
天皇というのは、一定の役職や身分を示すものでしょ
たとえば、「〇〇国会議員」とか「〇〇市長」などと同じです。わたしたちは、「〇〇国会議員さま」とか「〇〇市長さま」などとは言いません。だから、わたしにとっては「天皇陛下」という言い方には違和感があるし、(すでに、天皇はこの国の主権者ではないので)適切ではないと思うのです。
もちろん、呼びかける場合は、いいでしょうね…、
「ちょっと、市長さん」
「そこの議員さん…」
「ねぇねぇ…天皇陛下、お茶にしますか?」
だって、天皇の身分を有する人が目の前にいるのだったら、ぶっきらぼうに呼び捨てにするよりは、何かツケテあげるっていうのは、ケースバイケースで悪いことじゃない(笑)。
「国会議員は市長は、公僕だ。国民に奉仕する立場にある存在だから、〈さま〉は要らない。天皇は、まがりなりにも天皇であらせられるのだぞ。したがって〈陛下〉という敬称をつけるべきだ」
こういう反論もあるでしょう。
でもね…わたしに言わせれば、それ(=「まがりなりにも」)は、明治時代から戦前にかけてのことでしょ? ← 言わば、もう昔のこと…
だって、さきの敗戦によって、わたしたちが、旧帝国憲法時代の「主権者」の地位を受け継いだんですもの…。皇族が、わたしたちに「敬称」を使うのなら、全然OKだけど、わたしたちが(帝国憲法の時と同じように)天皇に対して敬称を使わなくてはいけないというのは、アタマの切りかえが出来ていないと思います。
まぁ、いいや…(笑)。
いま、ここに書いたことも、わたしの個人的な意見だから。拠(よ)って立つ場所がちがうと、時に議論はずっと平行線をたどるということになりがちです。
では、上の「敬語3題」はさておき、もうひとつ…「~陛下」をつけたい人たちに聞きたいです。
いまの「令和」天皇は、即位する前は、「浩宮(ひろのみや)」さんでした。
…あ、いけない…「浩宮さん」だなんて、なれなれし過ぎると、その方面からお叱りを受けそうです。
「ちゃんと〈殿下〉をつけて、『浩宮殿下』と言いなさい
」
まぁ、それはわかります。「天皇陛下」「浩宮殿下」…天皇や皇族好きの方々からすれば、そういうでしょうね(注)。
(注) もっとていねいに言えば、「浩宮親王殿下」なんていうふうになっちゃうのかな?
では、そう言う人たちに、聞きたい…、いまの令和天皇陛下が、お生まれになった時に、その生まれたてホヤホヤの宮サマのことを「呼び捨て」にしてもいいんですか、と。
いけませんよね…、たとえ「生まれたて」だとしても、ちゃんと…「浩宮殿下」と呼んだり、そのように表記したりしないといけません。
でもね…わたし、見つけちゃったのです。
都内の大事なスポットで…、いまの令和天皇を呼び捨てにしている…物件が、いまも放置されている現場を
ほら…、「浩宮殿下」とか、「浩宮親王殿下」とか、そういう敬称のたぐいが一切なくて、いきなり「ひろのみや!」って、呼び捨て。わたしなら、いきなり相手の名前を書くのではなくて、「慶祝」と、まずは書いて(そこで、ひと呼吸置いて…)、「慶祝 浩宮親王殿下 御誕生」とでも書くけど…。ふふふ…〈慶祝〉の一語を冒頭に置いて全体を整えるって…わたしも、相当ワカっているいるでしょ?
どうして…いまの令和天皇がお生まれになってから、いまの今まで…そんなブツが放置され放しなのか…わたしには謎なのです。
憲政記念館での、「持参された」も問題ですが、こっちのブツのほうだって…いいのかなぁ…なんて、ひとり静かにアタマを悩ませている詩乃ちゃんなのでアリマシタ。
天皇や皇族好きのみなさま、どうか…この「現天皇呼び捨て」物件を、何とかしていただけないでしょうか、よろしくお願い致します。
( お し ま い )