つづいては、マニュエル・ルグリをゲストに迎えての「オネーギン」から第3幕のパ・ド・ドゥ。相手役をつとめるのは吉岡美佳。

タチャーナがオネーギンからの手紙を読んでいる。そこへ、ルグル扮するオネーギンが2度、ためらい引き返すも、思い切って走りこんでくる。
いや~ルグリ恰好いい!さっきまで見ていた男性ダンサーとのこの格の違いはなに!この演目では、ほとんどオネーギンしか目で追わなかった。タチャーナなんてどうでもいいがな。取り縋るオネーギン、受け入れてもらえたのではと嬉しそうなオネーギン、絶望に打ちひしがれ去っていくオネーギン。

眼福の一言に尽きます。あんな素敵なオネーギンに謝られてなんだかんだ自分もいい気になって踊ってたくせに、最後手紙破り捨てて出ていけなんて、タチャーナ貞淑きどってんじゃねぇよ!腹立つ女だな!と口が悪くなるほどこの一場面だけでオネーギンに肩入れしてしまった。いや、この場面だけだからか。演奏はもうちょっとドラマチックにしてほしかったかなぁ

友達は全くの無反応。コメントも特にないようで。

休憩を挟んで次は、東京バレエ団「ラ・バヤデール」から影の王国。


東京バレエ団はコール・ドしっかりしてるんだよ~と、東バレ初見の友達に事前に伝えておいたこの場面。みんな揃っていて、丁寧な動き。だけんど友達の反応は。。。

「スタイルがみんな悪くて悲しくなった。足も太いし。上野はきれいだよね」
ことごとく私と正反対の意見。私は、上野は足も手も棒みたいで好きじゃない。その形のせいか動きも全部こわばって見えてしまうし。理想的な筋肉の付き方をしたなめらかな脚線美とは程遠いよって力説したけど、友達の好みは棒なんだなぁ。ま、がりがりが好きな人も多いよね、最近。

最後は待ってましたのシルヴィ・ギエムの「ボレロ」。


ぞくぞくした。同じ片足を垂直にあげる動きひとつだけでも、上野と雲泥の差。そういえば上野もギエムのファンで、たまたま出会えた時泣いてしまったってどっかのインタビューで言ってた。
周りの「リズム」である男性ダンサーを従えて「メロディー」であるギエムが舞うんです。
ギエムは来年引退するそうで、最後かもしれない、このボレロを目に焼き付けたいと思いました。