何かに心が動いて立ち止まった時



何かが気になって振り向いた時



 



もし そこに見たものが あなたにできることならば



迷うことなく すぐにやろう



 



今はできないこと



まだできないこと



それは仕方ないけれど



 



あなたでなくてもできることだとしても



立ち止まり 振り向いたのはあなただけ



だから あなたができることなら



躊躇せずに すぐにやろう



 



何が「あなたにしかできないこと」なのかは



それができるあなたにはわからないけれど



 



「あなたにしかできないこと」は



あなたができることの中にしかないのだから


引き潮あとの潮だまりのように



夜の冷気が取り残された朝は



ほのかに香る冷たいレモン水



 



慌てて冬支度の銀杏の木々が



黄色い着替えが間に合わずに



ところどころに黄緑を残し



ビルの陰からほとばしる朝陽に



ひと葉ひと葉が燈っていって



華やぐシャンデリアの列となる



 



冷たく澄んだ初冬の朝は



ほのかにレモンの香りがする



 



黄色い灯にほぐれていく朝に



あなたも自分の今日に漕ぎ出す



ゆらりと小さく青空揺れて



航跡は



レモンの朝にとけていく


手をつないで歩くなら



歩幅が違うと歩きにくい



自然に歩幅を合わせていって



いつのまにか歩調も揃えて



ふたりの歩みが そこに生まれる



 



ふたり並んで歩くなら



歩幅や歩調が違っても



自然に速さを合わせていって



公倍数の歩みとなって



ふたりの旅が そこに生まれる



 



ふたり別々に歩くなら



それぞれ自分の歩みで進む



自然に声を掛け合いながら



それぞれ自分の道を往く



 



ひとりの歩みはしんどいから



時々ふたりで並んで歩き



たまには手をつないでみる



ふたりの道が そこにできる


ようやく新宿も落葉の季節になりました
長居好きな残暑と せっかちな冬の狭間で
緑の葉が秋の彩りを装うのも慌ただしげです

風のない昼下がりに 不意に枝を離れる葉
仲間と過ごした夏の日々 長くなる影を見渡す日々
増していくその時間の重さを
背負ったまま旅立つのだろうか
枝に置き解き放たれるのだろうか

からりと根方に舞い降りた落葉が
一度だけ ちいさく見上げたその先に
錦の葉揺れる枝を見たのか
雲柔らかき空を見たのか

過去を背負えば心に重い
過ぎ去りし日々を持ち歩かなくても
僕らは 自分が生きたすべての時間でできている
見たものすべて
味わったものすべて
感じたものすべて
細胞のひとつひとつが時の本棚のように
いまの自分ができている
ぐんと身を反らし 足振り伸ばし
ブランコゆるりと前に振れる
もいちど もいちど 大きく振れて
キィとのんきな掛け声に
ブランコ大きく空に振れる

ジャングルジムもシーソーも
足の下に消えていき
自分の心の垣根も越えて
広く遠く世界が見える

ひゅいと頬を流れる風と うんと近づく青い空

エレベーターで昇れても 自転車で風を感じても
広いひろい青空に 発射していくワクワクは
なんだか違っていた気がする


オレンジに染まる空の下 どこかでカラスがアァと鳴く
小さくブランコ揺れながら 幼い悩みや想いを語り合う

うつむきながら 小さくゆらり
影が宵の闇になり いつの間にか街頭点り
いつまでも揺れるブランコで
馴染みの友を近くに感じた

迷い彷徨う心に合わせ ブランコゆるら小さく揺れる
ゆっくり揺れるブランコに 心迷って往ったり来たり

携帯持てば誰にでも 心開いて打ち明けられる
それは思い過ごしで勘違いなんだと
黙って乗る人待ち続ける ブランコふたつに言われた気がする

より高く より速く 限界を感じることもなく
可能性の枠を打ち破ろうと 未来に向けた瞳にしか
ブランコは見えないのかもしれない

自分の気持ちが見えなくなって 揺れる心が心配で
どうすることもできない心の夜にしか
ブランコは揺れないのかもしれない